バフェット太郎です。
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原油先物価格の週足チャートです。トレンドラインなんて引こうと思ったらいくらでも引けるので、相場の波がどのトレンドに乗っているのかは、日々見極めていかなければなりません。

青のトレンドチャネルはレンジ相場を表しており、38ドル~50ドルのレンジで動くことが予想できます。一方で緑のトレンドチャネルは強きのトレンドチャネルを表しており、42ドルをサポートラインに反発して60ドル方向を目指すと予想することができます。

さて、原油トレーダーは日々の原油相場に一喜一憂しているわけですが、そもそもぼくたちにとって原油価格とは安い方がいいのでしょうか?あるいは高いほうがいいのでしょうか?

日本は原油を輸入する国だから、原油価格は安ければ安いほどいいです。ガソリン価格が安くなれば、消費に回すお金も増えますし、物流コストも安くなるので商品の値段も安くなり、消費が活発になります。また、米国や中国、インドなども、輸出構造を考えると原油価格が安い方が国内の消費に回すお金が増えるので、原油安の方がいいです。つまり、日本にとってみれば、原油安は国内の消費が伸びるだけでなく、中国への輸出も増えるので、二重のプラスになるわけです。

一方で中東の産油国にとってみれば原油価格は高い方がいいです。原油高により財政が潤えば、それだけ医療や教育などの社会保障費に回すお金が増えるるだけでなく、世界のエネルギー大手から投資マネーが流入します。しかし、中東は同時に地政学的な問題を抱えているので、安易に原油高がいいとは言えません。

原油価格が高騰するとそれだけテロリストたちにお金が流れてしまうし、資源戦争に走ってしまうリスクが高まります。また、最近では原油高を背景にロシアがウクライナ問題に積極的に関与してきました。結局ロシアは原油安により財政が苦しくなったのでウクライナに対する態度が弱くなりましたが、原油高が必ずしもいいとは言えないのは、こうした現実があるからです。

従って、世界経済にとって原油は安い方がいいということになります。しかし、その答えは永遠に通用するのでしょうか。つまり、原油はいつまでも安いままでいいのでしょうか?

2008年、原油価格が1バレル147ドルと史上最高値をつけたとき、日本は確かにガソリン価格の高騰に苦しんでいました。しかし消費者が苦しんでいる横でエネルギー企業はメタンハイドレートに一筋の光を見つけました。メタンハイドレートとは天然ガスのひとつで、日本列島近海に莫大な埋蔵量が眠っています。当時、原油価格が1バレル100ドルで推移すれば採算が合うと言われていたため、誰も生産することに積極的になれませんでしたが、2011年から2014年にかけて原油価格が1バレル90ドル~110ドルのレンジで推移すると、メタンハイドレートの探査・生産に積極的に乗り出し、生産コストも当初より低下傾向にあります。

つまり、原油価格が安いと、石油依存の状態から抜け出せなくなり、いつまでたっても新しいエネルギー技術を開発することができないので、新しいエネルギー技術の開発には原油価格が高くなければならないのです。

従って、短期的にみれば原油安は日本や米国、中国などの消費大国にとって望ましいですが、長期的な世界全体の未来からすれば、新しいエネルギー技術が進歩しやすい原油高の方が望ましいというわけです。

グッドラック。

(参考文献:フェルドマン博士の 日本経済最新講義