バフェット太郎です。

バフェット太郎のように配当再投資を実践したい投資家は、将来に渡って安定して配当を出してくれるような優良株に投資しなければなりません。以下の銘柄は、「配当王」を除いた「配当貴族」の中から、楽天証券で買える素材株です。(*配当王=連続増配50年以上:配当貴族=連続増配25年以上50年未満)

【配当貴族:素材】
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【RPM:RPMインターナショナル】
特殊塗料、保護コーティング、ルーフィング・システム、封止剤、接着剤を含め、多様な特殊化学品ラインの製造・マーケティング・販売を手掛けています。同社はいくつものブランド製品を有しており、営業利益率は11%、ROEは25.85%、41年連続で増配しています。

【PPG:PPGインダストリーズ】
1883年、板ガラスで創業し19世紀末に塗料に新規参入し、現在は塗料、ガラス、特殊材料(眼鏡レンズ、シリカ製品)等を販売しています。2013年に汎用化学品を売却したものの、世界で塗料はアクゾ社に次ぎ2位、ガラスは5位級、塗料のグルーバルR&D大型施設が2016年2月に完成しています。営業利益率は14%、ROE27.67%、配当は43年連続で増配しています。配当性向は28%と健全で増配余地は十分にあります。また、PERは19倍台と配当貴族9銘柄中最も低いです。

【FUL:H.B.フラー】
接着剤、封止剤及びその他の特殊化学商品を考案・生産・販売しており、主力製品は工業用接着剤です。住宅建設市場向けにタイル用の接着剤、グラウト、シーラント及び関連製品などの多様な商品を提供しています。営業利益率11%、ROE9.93%で配当は46年連続で増配しているなど、配当貴族の素材株のなかで最も長く増配しています。配当性向は31%と増配余地も十分に残っています。

【SHW:シャーウィン・ウィリアムズ】
創業150年の老舗塗装メーカーで全米トップです。塗料はすべて水性で、個人向けのDIY用途から、建築、船舶、自動車、航空機向けコーティング材まで製品・色とも幅広く展開しています。営業利益率は14%、ROEは113.05%、配当は37年連続で増配しています。配当性向は24%と増配余地は十分あり心配することはありません。

【ECL:エコラブ】
衛生関連サービスで世界最大です。業務用洗剤でスタートし、ホテルや飲食店、工場などに清掃・洗剤などの技術とサービスを総合的に提供しています。米ナルコ社買収で水処理も事業の柱になりました。ちなみにエコラブのエコはエコノミックであり、エコロジーではありません。営業利益率は15%、ROEは14.09%、配当は30年連続で増配しています。配当性向は37.50%と増配余地は大きく心配する必要はありません。

【VAL:バルスパー】
1806年に創業し、210年の歴史を持つ老舗で世界6位の塗料・コーティング材メーカーです。近年は買収で地盤を拡大中で、建材、パッケージ、自動車など産業用からDIYの個人用まで幅広い商品をラインナップしています。売り上げ構成はコーティング材56%、塗料37%です。営業利益率は14%、ROEは42.82%、配当は24年連続で増配しています。配当性向は27.20%と増配余地は大きく残されています。

【APD:エアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズ】
産業用ガス製造の世界大手です。界面活性剤などの化学品も手掛けています。販売は米国外向けがほとんどで、世界で180超の水素ステーションプロジェクトに参画しています。営業利益率は19%、ROEは17.49%、配当は33年連続で増配しています。配当性向は53.60%と素材株のなかでは比較的高いですが心配する水準ではありません。

【BMS:べミス・カンパニー】
滅菌袋や薬包フィルムなど、柔らかさと堅牢・遮断性を兼ね備えたフレキシブル包装材料で全米トップクラスです。食品・製菓、消費財、医薬業界に、コーティング、フィルム化、ゲル化などの高い加工技術を用い商品を提供しています。営業利益率は10%、ROEは18.13%、配当は33年連続で増配しています。配当性向は47.50%ですが問題ありません。

【NUE:ニューコア】
鉄鋼メーカー大手です。鋼板、鋼棒から鉄鋼品まで製造・販売しています。スクラップのリサイクルも行っており、小規模な電炉による効率生産が特徴です。鉄需要の低迷から前期は減益に落ち込みましたが、今期は増益が予想されています。営業利益率は7%、ROEは4.71%、配当は43年連続で増配しています。配当性向は135
.10%と利益以上に配当を支払っているわけですが、今期の予想配当性向は79%となっています。それでも配当性向は極めて高い水準ですから、いつまで増配できるかが心配されています。

★★★

ジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来 』によれば、1957年から2003年までの素材セクターのトータルリターン(配当再投資含む)は8.18%と、S&P500指数の10.85%を大幅にアンダーパフォームし、全セクター中最悪のリターンでした。

そもそも素材セクターとは、化学品、鉄鋼、紙などコモディティ(汎用品)といった製品を展開しており、当時、鉄鋼大手のユナイテッド・ステーツ・スチール、ベスレヘム・スチール、化学大手のデュポン、ユニオン・カーバイト、ダウ・ケミカルの5社が米国の製造業を支配していました。

しかし、米国経済は次第に製造業からサービス業へと経済シフトしていきました。その背景には、コモディティ製品など他社との差別化が難しい製品を提供しているビジネスは、安い労働力を持つ海外の競合他社にシェアを奪われるなど、厳しい現実があったからです。こうしてかつて米国の製造業を支配してきた巨大企業は凋落していったのです。

だからと言って素材株は全てダメだというつもりはありません。配当貴族の中には優良銘柄がいくつもあります。例えばシャーウィン・ウィリアムズ(SHW)なんかは塗装メーカーという地味なビジネスをしていますが、1986年の株価が6ドルだったのに対して、2016年の8月には300ドルと50倍も値上がりしているのです。これに配当再投資を含めればトータルリターンはさらに高くなります。

素材株のトータルリターンは全セクター中最悪ですが、探せばきっと未来の優良株が見つかると思いますよ。

グッドラック。

(参考文献:米国会社四季報2016年春夏号