バフェット太郎です。

OPEC(石油輸出国機構)が原油の生産量を、現在の日量3324万バレルから3250万~3300万バレルに削減することで合意したことを受けて原油相場が前日比+5.33%高の1バレル47.05ドルと急伸しました。
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アルジェリアで開催されたOPEC非公式会合で、2008年以来8年ぶりの減産合意は市場参加者にとってサプライズで、原油価格を上昇させる大きな要因となりました。

OPECで最大の原油生産シェアを誇るサウジアラビアはこれまで、原油がだぶついているときは自ら減産するなどOPEC内の調整役を担ってきましたが、2014年の原油価格急落を受けて以降、その調整役を放棄し市場シェアを奪われまいと必死になって増産してきました。増産することで原油価格はさらに値下がりし、サウジを含めた産油国の財政は悪化するものの、米国のシェールオイル企業を駆逐することができるからです。

しかし、サウジのエネルギー産業鉱物資源相がヌアイミ氏からファリハ氏に代わると、これまでの方針が一転、原油価格は50ドル以上が望ましいとし増産凍結に前向きな姿勢を示していました。これはサウジが、上場すれば間違いなく世界最大の時価総額を誇るだろうと予想されているサウジアラムコ社のIPOを控えているためです。サウジアラムコの確認埋蔵量はエクソン・モービル(XOM)の10倍あると言われており、さらに生産コストは1バレル6ドル程度と米シェールオイル企業の50ドルを大きく下回ります。

サウジがサウジアラムコのIPOを絶対に成功させたいと考えている背景には、サウジが掲げる「ビジョン2030」があるからです。これは、今までオイルマネーというぬるま湯に浸かっていた国民の目を覚まし、優秀な人材を育てること、都市インフラを開発すること、社会保障制度を拡充することなど、石油依存から脱却することを目指すものです。しかし、これには莫大な費用が必要であるため、その資金を調達する意味でもサウジアラムコのIPOは絶対に成功させなければならないのです。

このように、今回の減産合意はサウジが自らの利益のために態度を軟化させたことが背景にあります。加えてサウジと対立しているイランも減産に合意しました。

ただし、今回の減産合意はどの国がどれだけ減産するかという大切なことを決めていません。11月末の総会で誰がどれだけ痛みを受け入れるか、その計画がまとまる見通しですが、果たして上手くいくかは不透明です。仮にその計画がまとまったとしても、隠れて増産していたりする場合だってあるのです。

利害関係が複雑に絡み合う原油市場において、過度な楽観は禁物です。

グッドラック。