バフェット太郎です。

季節は秋。秋と言えば暴落の秋です。1929年の世界恐慌も1987年のブラックマンデーも、そして2008年のリーマンショックも暴落はいつも秋でした。2016年秋、ドイツ銀行のデフォルト危機が新たな暴落の引き金になるのでしょうか。

さて、欧州ではドイツ銀行のADR(米預託証券)が前日比-6.67%安の一株11.48ドルと史上最安値を更新しました。急落した主な要因は、顧客の一部ヘッジファンドが余剰キャッシュとポジションをドイツ銀行から引き揚げたとの報道が伝わったためですが、そもそもヘッジファンドがドイツ銀行から資金を引き挙げている理由は、米当局との紛争を巡り多額の請求を受けているからです。
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ドイツ銀行は住宅ローン担保証券(RMBS)の不正販売で、米司法省から140億ドルの支払いを要求されています。これは時価総額が160億ドル程度しかないドイツ銀行にとって死刑宣告を意味するので、株と社債が売り込まれているのです。IMF(国際通貨基金)もドイツ銀行に対して、世界一金融リスクの大きい銀行というレッテルを貼りました。

これに対してドイツ政府が公的資金を注入して救済するのではという楽観的な見方があります。しかし、これは来年の総選挙で4選を目指すかどうか決断の時期を迎えるメルケル首相にとって、安易に口にできるものではありません。

なぜなら公的資金の注入は国民の税金を使うわけですから、選挙前にそのようなことは口が裂けても言えないのです。また、そもそも「大き過ぎて潰せない銀行」の救済費用の負担から納税者である国民を守るため、EU(欧州連合)が導入した銀行破綻処理に関する「銀行再建・破綻処理指令」の下では、政府が銀行を支えることが難しくなっているからです。

「銀行再建・破綻処理指令」では、特別の公的金融支援が必要な場合とは、金融機関が破綻しつつあるか、破綻する可能性が高い場合に限られているので、ドイツ政府が公的資金をドイツ銀行に対して行う場合というのは、すでに息をしていない状態の時なのです。

とはいえ、現時点でのドイツ銀行の財務状況や自己資本比率を見ると、そこまで心配する必要はありません。また、今回の賠償金額は同じRMBS関連の訴訟を受けた米国の他の金融機関、例えばモルガン・スタンレーの場合は32億ドル、ゴールドマンサックスは51億ドル程度で済んでいるわけですから、ドイツ銀行の140億ドルが減額される余地が大きいです。

従って、市場参加者たちがドイツ銀行の破綻でリーマンショック級の暴落が来ると心配しているのは、行き過ぎである可能性が大きいです。結局ドイツ政府の支援も必要なく、賠償金が大幅に減額されてドイツ銀行の株価が大幅反発なんてことになると思います。

グッドラック。

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