バフェット太郎です。

『投資マンガ「インベスターZ」は読むな!!』の説明の前に、こちらのニュースからどうぞ。

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ウォールストリートジャーナル』によれば、米ネバダ州職員退職年金基金の最高投資責任者、スティーブ・エドマンドソン氏(44)は典型的な買い持ち戦略で市場平均のパフォーマンスを上回っているとのこと。

エドマンドソン氏が保有する銘柄はすべて市場平均に連動するインデックスファンドに組み入れられた優良銘柄ばかりで、株式の売買は年に1度ぐらいだそうです。

エドマンドソン氏の売買に影響を与えるニュースというのはほとんどなく、原油価格の下落も英国のEU(欧州連合)離脱の決定も米大統領選も、そしてFRBの政策金利決定も何一つ材料にはなりません。

通常、州の職員退職年金基金は市場平均をアウトパフォームしようと外部の運用マネジャーに頼ったりするのですが、ネバダ州だけは例外的で、2012年にエドマンドソン氏が最高投資責任者になると、それまで雇っていた外部のファンドマネジャーを10人解雇したのです。複雑でリスクの高い投資の世界だからこそ、それを攻略しようと多額のお金をかけてコンサルタントやファンド・マネジャーを雇って儲けようとする人たちもいますが、エドマンドソン氏は、その複雑性を買い持ち戦略でシンプルにし、高いリスクをパッシブ運用にすることで抑えようと考えたのです。

これは簡単なようで難しいです。市場平均をアウトパフォームしようと投資の勉強をすればするほど、政治・経済のニュースに敏感に反応するようになり、新しい投資戦略が閃いたりして無駄な売買をしがちです。エドマンドソン氏の友人でハワイ州の年金基金の最高投資責任者、ビジョイ・ポール・チャタジー氏もその一人で、「投資の世界はインデックスファンドに採用されているような退屈な銘柄をただ買い持ちしていれば儲けられるほど甘い世界ではない」とし、さまざまな投資戦略を採用しているそうです。結果、エドマンドソン氏のパフォーマンスに負けているのですが。

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さて、本題ですが、みなさんは投資マンガ『インベスターZ 』という作品をご存知でしょうか。落ちこぼれ高校生が東大進学を目指す学園マンガ『ドラゴン桜 』を書いた三田紀房氏の作品で、週刊モーニングに連載されています。この「インベスターZ」は、北海道札幌市にある道塾学園という全国屈指の名門私立男子中高一貫校で、学年トップの成績を誇る計6名による「秘密の投資部」が舞台になっています。

道塾学園は表向き、創設者藤田一族の財団により、生徒の学費が免除されているとなっていますが、実はこの「秘密の投資部」が道塾学園の資産3000億円を運用し、その利回りで生徒の学費や教職員の給与、学校運営に必要な経費を賄っているのです。

投資の世界は大人やお金持ちが主役との印象が強いですが、主人公を子どもにすることで意外性を出し、マンガの王道である「学園」物を「投資」という難しいジャンルと融合することで読みやすくさせる工夫がなされています。

しかし、三田紀房氏や編集部員も含めて、投資に詳しい人がほとんどいないのが欠点です。そのため、著名投資家ウォーレン・バフェット氏やピーター・リンチ氏などの本を読みかじったり、実業家やファンドマネジャーにインタビューしながら「インベスターZ」は作られています。

結果、個性豊かな投資部員が、それぞれの持ち味を活かした投資戦略で、複雑な投資の世界を攻略していこうという大筋のストーリーが出来上がってしまったのです。

もちろん、マンガなのでそういうストーリーになるのは仕方ありませんが、これから投資を始めようと考えている人が参考にするべきではありません。実際は、エドマンドソン氏を真似して、相場や政治の動きに惑わされず、シンプルで退屈な投資戦略にするべきです。

それぞれの部員が個性豊かな投資戦略を実践していれば、市場平均にあっという間に負けてしまうだけです。まして名門校で学年トップの成績を収め、「自分は賢い」と思い上がった子供たちの投資戦略ほど、怖いものはありません。想像しただけでも恐ろしいです。

マンガがどう展開していくかは知りませんが、最終巻までにはぜひ主人公の財前孝史が部員全員を退部させて、投資部を廃部にし、用務員のおじいさんにでもパッシブ運用させて、今までの投資戦略と投資部の存在自体を「間違っていた」と認めて欲しいものです。

ちなみにバフェット太郎は廃部になるのを見届けなければならないので、最後まで読みます。

グッドラック。


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