バフェット太郎です。

ウォールストリートジャーナル」によれば、IBMのAI(人工知能)技術「ワトソン」を利用する人は2018年までに10億人に達する見通しのこと。

IBMのCEOバージニア・ロメティ氏はウォールストリートジャーナル主催の国際ハイテク会議「WSJDライブ2016」で、「ワトソン」の利用拡大の例として、米自働車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の「オンスター」の新バージョンに「ワトソン」が組み込まれたことを挙げました。

「オンスター」とは米国や中国市場などで展開している車載情報通信システムのことで、事故や盗難の際に、警察や消防へ自動連絡するだけでなく、位置情報の提供や遠隔操作によるエンジン停止、最新のナビゲーションシステムなど、多くのサービスを提供しています。

IBMの顧客は超大型優良企業ばかりなので、その企業と提携するだけで、その企業が抱えている多くの大衆を間接的に顧客にすることができるわけです。ロメティ氏はこうした浸透力の強さから、年内には数億人が「ワトソン」の技術に触れることになるとインタビューに答えました。

また、IBMは不採算部門を売却すると同時に、クラウド事業に積極的に投資することで、収益の柱をこれまでのサーバーやソフトウェア部門からクラウド事業へと移そうとしています。

先日、18期連続の減収を発表した第3四半期決算では、年間売上高80億ドルに相当する事業をスピンオフしたものの、減収幅は0.3%に留まったことや、クラウド事業が15%増(為替変動の影響除く)となるなど、IBMのこれまでの戦略が軌道に乗りつつあることが確認されました。

IBMの戦略分野であるクラウド事業が最も重視している分野が「医療」なのですが、今年2月に医療データのトゥルブン・ヘルス・アナリティクスを買収し、ワトソンの分析力を積極活用する方針を示しました。また、先週には医療検査サービス大手のクエスト・ダイアグノスティクスと提携し、がん患者の腫瘍サンプルの遺伝子配列を解析するのにワトソンを活用するそうです。さらに、がん専門医が不足している地域や国でワトソンを使った医師の支援サービスを提供しているそうです。

このように、IBMは多くの大衆を顧客に持つ大企業や自治体と強力なパイプを持っているため、提携することで間接的に「ワトソン」を拡大させていくことができるのです。

バリュー投資家は企業の資産価値を算出する際、総資産から負債を除いた純資産などで判断しがちですが、バランスシートに計上されない目に見えない資産である「顧客リスト」に注目すると、銘柄選択の幅がグッと広がりますよ。

グッドラック。