バフェット太郎です。

日本における長期投資家の始祖、本多静六は、著書『私の財産告白』で、「ヒトはお金持ちになることはいいことなのだろうか、あるいは、悪いことなのだろうか」と問題定義します。

結論から言えば、必要なお金は持った方がいいし、欲しいお金は作るべきですが、正しい方法でお金を作らなければならないと説きます。

例えば、高額な情報セミナーを開いて顧客を借金漬けにしてお金儲けする輩や、ネットワークビジネスなど、化粧品やオーガニック何ちゃらみたいな商品を仲間に売りつけていくような、ねずみ講でお金持ちになる輩がいますが、本多静六はそのようにしてお金持ちになるべきではないと言っているのです。

筋の通った正しいお金の稼ぎ方をし、これを積み立てていかなければなりません。しかし、積み立てるだけでは限界があるため、まとまったお金を運用することで雪だるまのようにしてお金を増やさなければなりません。本多静六も、「初めはほんの小さな玉でも、その中心になる玉ができると、あとは面白いように大きくなってくる」と言い、「四分の一天引き貯金法」をやれば、おおらく誰がやっても同じように成功するだろうと説明します。

世の中には、お金持ちを悪者扱いし、お金儲けは「けしからん」という人もいます。確かに前述したような高額セミナーやネットワークビジネスでお金儲けする人たちがいるので「けしからん」という結論は間違いではありません。しかし、誰もがそうしてお金持ちになるわけではありません。真面目に働いたお金を貯金し、まとまったお金で株などを買い、資産運用することが「けしからん」なんてことはないと思います。

例えば、ユニクロを展開するファーストリテイリングは株主から集めたお金で、品質の高い衣服を生産し、低価格で大量に顧客に販売してくれます。ユニクロがなかった時代のジーンズの値段は一本5000円~1万円が普通だったのですが、今のジーンズの値段は1000円~4000円も出せば十分品質の高いジーンズを手に入れることができます。また、中国では大量の労働者を生み出すことに成功し、経済発展した中国人が日本で爆買いすることで日本の消費を下支えしてくれるようにもなりました。

ユニクロは安い賃金で中国人をこき使っているから「けしからん」と反論する人もいますが、では、当時、縫製工場以外でまともな職にありつける女性がどれだけいたかというと、ほとんどいなかったわけです。縫製工場で働くことができなければ、女性の社会進出もなかったし、子どもに十分な教育を与えられなかった人も少なくなかったわけです。

もちろん、過酷な労働を強いる時代がいつまでも続いてはいけませんが、何もなかった場所から何かを生み出すには、相応の産みの苦しみを経験しなければならないのです。

つまり、貯金したお金をただ貯めるだけでなく、企業の株を買うことで、企業が世界経済にとってより良いお金の使い道を見つけてくれることは「けしからん」ことではなくて「いいこと」です。

ただし、そうしてお金持ちになることはいいことなのですが、お金持ちになることで幸せになることはできません。お金持ちになることで、心に余裕が生まれるのは真実で、心に余裕が生まれると、新しいことに挑戦しようとか、想像力が増すこともあります。一方で、お金がないと生活に制限がかかるので、物事の考え方は一層慎重になり、消極的になり、想像力が委縮していくのも真実です。

従って、お金持ちになることはいいことであり、誰もが「四分の一天引き貯金法」で貯蓄し、投資を通じてお金を雪だるまのようにし、世界経済の成長に貢献するべきなのです。

グッドラック。

(参考文献:私の財産告白 (実業之日本社文庫)