バフェット太郎です。

先週、EIA(米エネルギー情報局)が発表した原油の週間在庫統計によれば、原油在庫は予想100万バレル増に対して、結果1441万バレル増と、過去34年で最も大きな増加となりました。予想と結果が14倍も乖離した主な要因は、これまで大型ハリケーンの影響を受けて入港できなかったタンカーが一斉に到着してしまったためです。

数週間前までは原油在庫が予想外に減少し、1週間で1450万バレル減と、1999年以降で最大の減少幅を記録していたことから、原油トレーダーは2年にも及ぶ弱気相場がようやく終わって強気相場に転じたと勘違いしていました。しかし、原油在庫の減少は、多くの原油トレーダーが望んでいたような原油需要の増加によるものではなく、単純に供給が遅れていただけだったのです。

しかも、まもなくハリケーンの季節(6月~11月末)が終わろうとしているなか、これまで遅れていた輸送中のタンカーが続々と到着し続ける可能性があることが原油相場を一段と悪化させる要因になりかねません。

さらに、海外の産油国は今もなおフル生産しており、世界中で販売するための原油をタンカーに積み込んでいるのです。例えば、先週ロシアが公表した原油生産量が、旧ソ連崩壊後の記録を更新したことに加えて、リビアとナイジェリアは産油量が50万バレルも増加しているのです。

現在、OPECは減産合意に向けて協議していますが、産油国は減産合意までの間に「駆け込み増産」をしており、フル生産しているのです。さらに減産合意が全然まとまりそうにないので、これでは駆け込み増産してしまった分、供給が過剰になってしまいます。
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原油先物相場の週足チャートです。これまで想定していた強気のトレンドチャネルが崩れました。
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同じく原油先物相場の週足チャートです。強気のトレンドチャネルが崩れたことで、トレンドはレンジ相場である可能性がでてきました。レンジは38~51ドルなので、短期的には38ドルのサポートラインを目指して一段と下落する可能性があります。

グッドラック。
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