バフェット太郎です。

日本経済新聞によれば、10月7日の英ポンド急落の原因を作ったのは、AI(人工知能)が一斉にポンド売りに走ったからだとのこと。
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AIがポンド売りを一斉に仕掛けた要因は、この前日に英国のメイ首相が保守党大会閉幕の演説で、EUとの交渉案についてハード・ブレグジット(強硬離脱)を意識させるような発言があったためです。AIはメイ首相や欧州の要人発言を瞬時に分析し、取引が一番薄い時間帯にポンド売りを仕掛けたわけです。
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米国のAI投資ファンドは、ある企業のCEOが辞任したらどうなるか、ある経済指標が予想に反して下振れしたらどうなるか、あるいは上振れたらどうなるかなど、世界中からあらゆるデータを集め、瞬時にその影響を分析し、最適な投資判断を割り出すとのこと。

過去のデータや経験則をバイアスにかかることなく、冷静に判断するAIの登場で、これまで投資判断を担ってきたファンドマネジャーの仕事がいよいよ危うくなってきました。こうした時代の変化を受けて、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツもCEOに米アップルの元幹部、ジョン・ルービンスタイン氏を迎えるなどして、AIによる資産運用に本格的に取り掛かろうとしています。

現時点ではAIは一斉に同じ判断をしてしまったり、ギリシャの債務危機やアベノミクスといった歴史にないことが次々と起きた場合に判断を誤ったりするなど、AIがまだ不完全であることを露呈してしまいました。AIが人知を超えるにはまだ30年くらいかかると言われているため、しばらくの間、AIによる暴走が市場の新たなリスクになってしまいます。

ヒトがAIの暴走を止めるには「強制終了」のボタンを押すしかないのなら、AIによるフラッシュクラッシュ(瞬間暴落)は誰にも止められないというわけです。そうであるなら個人投資家は、複雑でリスクの高い投資から距離を置き、シンプルで退屈なディフェンシブ銘柄に投資し、市場のリスクに慣れるしかなさそうです。

グッドラック。
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