バフェット太郎です。

米国の第45代大統領選挙は、共和党のドナルド・トランプ候補が民主党のヒラリー・クリントン候補に劇的な勝利を収めたことで、日経平均株価は前日比-919.84円(-5.36%)安の1万6251.54円と急落しました。また、ドル円も一時101円台となるなどドルが売られました。

さて、ほとんどの人にとって今回の結果は「まさか」の結果だったと思います。しかし、そもそも「まさか」という出来事は、みんなが思っている以上に頻繁に起こるものだし、ヒトは不合理な選択をするものだから、今回の結果は別に「いつも通り」程度に思って大丈夫です。

あと、トランプが大統領になったことで、コカ・コーラ(KO)やジョンソンン・エンド・ジョンソン(JNJ)、プロクター&ギャンブル(PG)などのディフェンシブ銘柄に投資している人は、慌てて投げ売りするようなことはしないでください。なぜなら、トランプが大統領になったからといって、コカ・コーラを飲むのを止めようと思う人はいないし、これまで飲んでいた薬の量や、一回当たりの洗濯洗剤の量を減らそうと考える人もいないからです。

こうしたディフェンシブ銘柄との付き合い方は、配当を再投資して長期で保有するやり方と相性がいいです。そのため、今回の急落局面では「売り」ではなくむしろ「買い」です。相場が少し落ち着いてから、これまで蓄えていた配当で買い増しして持ち株を増やしてやればいいのです。

さて、トランプが大統領になったことで上がる銘柄があります。それはカナダの産金大手バリック・ゴールド(ABX)をはじめとした金鉱株で、ETFにはマーケット・ベクトル・金鉱株ETF(GDX)があります。その他には銀行株やヘルスケア株もいいです。
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トランプが大統領になったことで、将来の先行き不透明感から、投資家達はリスクオフに動きます。すると、短期的には株が売られて債券や金、ドルが買われます。ただし、ドル円はドル安円高です。なぜなら円(あとスイスフラン)はドルよりも安全な資産とされているからです。(追記:中期的には、2017年末にかけてドル円は再び1ドル120円を目指すと思います。また、株価も短期的な調整局面を迎えるだけに留まると思います。)

トランプ大統領はかねてからメキシコ人を誹謗・中傷し、米国とメキシコの国境に万里の長城のような巨大な壁を築き、費用を全額メキシコ政府に支払わせると豪語していたり、中国の輸入品に45%もの関税をかけると主張しているので、新興国は株も通貨も売られやすいです。中国景気が悪化し、加えて人民元安となれば、日本への観光客が減少し爆買いもなくなると思います。そうなると日本の景気も腰折れになります。

新興国もダメ、日本もダメとなれば、投資家達は一斉に「リスクオフ」の姿勢を示すようになり、安全資産とされる債券や金にますます投機マネーが流入します。債券価格は短期的には上昇(利回りは低下)しますが、トランプ大統領がFRBの独立性を無視するようであれば、債券市場の信頼感が低下するため、債券市場からも資金が流出し、債券利回りを押し上げる要因になります。

従って、新興国は株も通貨もダメ、先進国の株もダメ、債券もダメとなれば、消去法で「金」が選ばれます。「金」市場はもともと小さな市場であることから、世界中の投資マネーが「金」に一気に逃避すれば、価格は大暴騰してしまいます。

また、「金」以外には、クリントンが大統領になると予想されていたために、薬価引き下げ問題を理由に低迷していたヘルスケア株がいいです。先日、ジョン・ポールソン氏のポートフォリオを紹介しましたが、ここら辺から医薬・バイオ株を選んでもおもしろいと思います。

また、債券市場の信頼感が低下することで債券利回りが上昇することから、銀行株もいいと思います。ただし、代表的な銀行株で、ウォーレン・バフェット氏の主力銘柄ウェルズ・ファーゴ(WFC)は、行員が顧客に無断で口座を開設するなど不正な販売慣行が問題になっていることを受けて、今後は訴訟リスクを抱えることになるので、積極的にはなりすぎるのはオススメできません。WFCの他に優良な銀行株といえば、USバンコープ(USB)などがあります。

グッドラック。
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