バフェット太郎です。

バリュー株投資家は日頃から地味で退屈なディフェンシブ銘柄に投資して、配当を再投資する戦略で挑んでいると思いますが、現在のトランプ相場でそのやり方に疑心暗鬼になっている人も少なくないのではないでしょうか。

なぜなら大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ氏が勝利したことを受けて、資本財株や素材株、ヘルスケア株に金融株などが積極的に買われている一方で、生活必需品株や通信株、公益株などが軒並み売られているからです。
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この一カ月でヘルスケア株+14.85%、資本財株+7.41%とNYダウの4.33%に対して大きくアウトパフォームしています。一方で生活必需品株は-3.20%と売られています。

そもそもセクターは大きく分けて10セクターあり、それぞれ得意な景気局面と苦手な景気局面があります。それを図で表すと次のようになります。
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現在は回復局面から好況局面への移行期であるため、ハイテク株が売られて資本財株や素材株が買われています。一方で金融株が依然として買われている理由は、来年のトランプ政権で金融規制の緩和が期待されているからです。

不況局面に強いとされるヘルスケア株も大きく買われていますが、これは大統領候補だったクリントン氏が薬価を引き下げる方針を明らかにしていたためです。クリントン氏が大統領になると確信していた多くの投資家達はヘルスケア株を空売りしていたのですが、大方の予想に反してトランプ氏が大統領選挙に勝利したため、買い戻しが起きているのです。

こうした特殊要因こそありますが、現在の景気局面では資本財株、素材株、一般消費財株が買われやすく、その反対に属する生活必需品株や公共株、通信株が売られやすいです。ちなみに一般消費財株とは、自動車株やアパレル株、レストラン株などです。

さて、こうした景気局面では、不況局面に強いディフェンシブ銘柄ばかりに投資しているバリュー株投資家は、気持ち的に辛くなるところだと思います。なぜなら世界中の投資家たちが、好況局面に強い資本財株や素材株に投資してどんどんお金持ちになっていくのに、自分だけは全然値上がり益の期待できないディフェンシブ株に投資しているからです。

「バリュー株投資なんて儲からない投資をやるよりも、資本財株に投資して一発大儲けしたい」と考える投資家は少なくありません。そのため、ほとんどの自称長期投資家はここで脱落していきます。

「俺も昔バフェットみたいになりたくてプロクター&ギャンブル(PG)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)みたいな初心者銘柄に投資してたけど、今はノースロップ・グラマン(NOC)やレイセオン・カンパニー(RTN)なんて防衛関連株(資本財株)に投資してるんだ」っていう投資家は大抵いまのような景気局面で投資戦略を変えた人たちなんです。

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「投資の世界でお金持ちになるためには?」その問いの答えを歴史に求めると、意外なほど簡単なものだということに気づきます。それは、S&P100に採用されているような超大型優良高配当株に投資し、配当を再投資するという戦略です。セクターは不況局面に強く、安定した収益が期待できる生活必需品株や通信株、公益株などがいいと思います。

これは誰でも始められるし、誰にでもできます。ただし、投資の勉強すればするほど、となりの芝が青く見えるため、値上がり益の期待できる資本財株や素材株に投資しがちなので注意しなければなりません。

また、この投資戦略が最も効果を発揮する局面は「好況局面」です。矛盾しているように思われるかもわかりませんが、歴史を振り返ると実際そうでした。
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チャートは配当王(50年以上連続増配株)に投資した場合のリターンと、S&P500指数に投資した場合のリターンの比較です。ここで重要なことは、00年のITバブル崩壊と2008年のリーマンショックなど、経済危機の度にその後リターンの差が拡大していることがわかります。

つまり、株式相場が急落しているときに配当を再投資できたか、そして、持ち株が極端に値下がりしなかったかどうかが大切になるというわけです。

従って、バリュー株投資家がこれから気をつけなければならないことは大きく分けて二点あります。

一、これからの好況局面で資本財株や素材株に浮気しないこと
二、数年後、後退局面に入り株式市場が急落したとしても、配当を再投資すること

この二つのルールを守り、何年も続けられれば投資家として十分なリターンが期待できると思います。

グッドラック。