バフェット太郎です。

2017年は欧州が世界最大のリスクになるのではと世界の投資家たちが戦々恐々としています。

ギリシャのデフォルト(債務不履行)を予見していたヘッジファンドのヒュー・ヘンドリー氏によれば、「投資家らは、来年を見据えてEU(欧州連合)崩壊シナリオに沿った取引をしている」とのこと。

2016年、英国がEU離脱を決定するという「まさか」の出来事を受けて株式市場が急落しました。また、米大統領選挙では、共和党のドナルド・トランプ氏が、98%の確率で勝つと言われていた民主党のヒラリー・クリントン氏に勝利しました。つまり、みんなが思っている以上に「まさか」の出来事は頻繁に起こり得るものですから、来年も気をつけた方がよさそうです。

2017年は、オランダ、ドイツ、フランスで選挙が予定されており、イタリアも来月の国民投票の結果次第では選挙になり得ます。フランスでは極右・「国民戦線」マリーヌ・ルペン党首が支持率を伸ばしており、彼女は英国に続くEU離脱を主張しています。また、イタリアで選挙があれば「五つ星運動」が大きく勢力を伸ばす可能性があります。同政党もEUからの離脱を訴えています。

さらにドイツではポピュリスト(大衆迎合主義)政党の「ドイツのための選択(AfD)」が移民に寛容なメルケル首相に対する国民の怒りを利用して勢力を拡大しています。

こうしたことから、EUは崩壊の瀬戸際にあるとみる投資家も少なくなく、彼らはイタリア国債を売ってドイツ国債を買っているそうです。

【イタリア10年債】
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チャートはイタリア10年債の1年チャートです。1.04%だった利回りは2.09%と跳ね上がっていることが確認できます。
【ドイツ10年債】
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イタリア10年債とドイツ10年債の金利差は1.22%から1.85%へ拡大しています。

欧州は「移民を受け入れたい」という建前と「移民を排除したい」という本音の部分で揺れ動いています。なぜなら欧州で頻繁に起こるテロリストの犯人は中東から密入国した人ではなく、移民として自国で育った人だからです。

欧州は移民を受け入れても、彼らに十分な教育や仕事の機会を与えることができていません。結果、移民は疎外され、仕事もないので税金のタダ乗りをする場合もあります。国民の立場からすれば、「なぜ我々の税金が働かない移民のために使われるのか」と憤る人もいます。しかし、彼らとて働きたくても働けなかったり、食肉工場や清掃業など、キツくて低賃金で誰もやりたがらない仕事しかないので、働かないことを選ぶ人もいます。

「仕事が食肉工場しかないのならそれを選ぶべき」というのは強者の論理です。その強者の論理を押し付けた結果が実際に起きたテロ行為の原因となるなら、例えそれが正論でも、見直さなければなりません。

問題解決には移民に十分な教育と仕事の機会を与えることがですが、それに対しても多額の税金を必要とするため現実的ではありません。やはり国民は「なぜ我々の税金が移民に…」と憤ると思うのです。結果、「もう移民を受け入れたくない」という本音が強くなり、「EU離脱」が現実のものとなってしまうのです。

2016年、英国のEU離脱と米大統領選挙から、我々は「ヒトは必ずしも合理的な判断をするわけではない」ということを学びました。そうであるならば、EU存続がたとえ全体にとって正しい選択だとしても、それを選ぶとは限らないというわけです。

2017年、欧州市場に「まさか」の激震が走るかもしれませんよ。

グッドラック。