バフェット太郎です。

トランプ次期大統領が国務長官の最有力候補として、石油メジャー最大手エクソン・モービル(XOM)のレックス・ティラーソンCEOを検討しているそうです。

トランプ次期大統領はエネルギー政策について、石油・天然ガス生産に対する規制を撤廃する姿勢を示しているだけでなく、カナダから南部テキサス州に原油を運ぶパイプラインなど、民主党政権によって中断されていたインフラ計画を再開させようとしています。また、国連の気候変動対策への資金拠出を取りやめ、その資金を国内のインフラ整備の改善に使うそうです。

エネルギー業界はかねてから気候変動問題に頭を悩ませていて、グリーンピースなどの環境団体と長年対立しています。こうした中での今回のトランプ人事は、政府の立場を「反環境対策」であると、明確に示すものでした。

ちなみに、レックス・ティラーソンCEOがどんな人物であるかを表すエピソードがあります。エクソン・モービル(XOM)のとある元取締役によれば、「前CEOのリー・レイモンド氏は気候科学についての専門知識を示し、化学的な見地から『環境対策派の科学者は間違っている』と強く主張するけれど、ティラーソンCEOは『ほとんどの人が理解するよりも、もっと複雑なのです』と言うよ」と説明します。つまり、環境対策派とのコミュニケーションも必要だと考えるタイプだということです。

さて、今回のトランプ人事で米国の原油生産量の増加が予想されるわけですが、足元ではすでに増産体制に入っています。米石油サービス大手ベーカー・ヒューズが発表した米石油掘削装置(リグ)の稼働数は、前週末比21基増の498基となりました。増加幅は2015年7月以来、約1年5カ月ぶりの大きさです。

これはOPEC(石油輸出国機構)の減産合意により、原油価格が上昇しているため、採算が取れる油井が増加していることが背景にあります。また、石油だけでなく天然ガスの掘削リグも増加しており、トランプ次期大統領のエネルギーインフラ整備への政策期待もシェール企業の心理改善につながっています。

こうしたことから、今後OPECと非OPECの減産分が、米シェールオイル企業と減産適用除外の対象となったOPEC加盟国のリビアとナイジェリア、そして資格停止処分となったインドネシアが増産体制に入ることで相殺される可能性があります。

つまり、原油価格の上値が重い状態が続くと言うことです。
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原油価格の週足チャートです。下値が徐々に切り上がっている一方、上値が52ドルをブレイクアウトできない状態が続いています。これを強気の三角保ち合いと言い、上にブレイクアウトする可能性が高いことを表します。つまり、今後のターゲットは2015年につけた高値の62ドルを目指すことになります。

ただし、中・長期的な見通しでは、原油価格は供給過剰問題が解消されないことから上値が重いままだと思います。しかし、だからと言ってエネルギー株に強気になれないわけではありません。

1985年、1バレル10ドルだった原油価格は98年末になっても10ドルでした。それまで90年の湾岸戦争の影響で一時的に40ドルまで急騰する場面もありましたが直後に急落し、概ね15~25ドルのレンジ相場を形成していました。一方で、エクソン・モービルの株価は1985年1月、5.61ドルだった株価が98年末には38.66ドルと一貫して上昇を続けたのです。

グッドラック。

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