バフェット太郎です。

ジェレミー・シーゲルは著書「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」の第17章で、ポートフォリオの例として、低PER株を組み入れることを推奨しています。

なぜシーゲルが低PER株を推奨するかと言うと、1957年から2003年にかけて、S&P500指数採用銘柄の中から低PER株100銘柄に投資した場合のトータルリターンが年率平均14.07%と、同期間のS&P500のトータルリターン11.18%を3%pt上回っていたからです。

しかし、このPER戦略で気をつけなければならないことがあります。それは「低PER株は中・小型株の中から選ぶな」ということです。ジェームズ・オショーネシー著「ウォール街で勝つ法則 - 株式投資で最高の収益を上げるために」によれば、1951年から1991年にかけて、米国に上場する全銘柄を対象に、低PER株50銘柄に投資した場合のトータルリターンは12.65%と全銘柄を対象に投資した場合のトータルリターン年率平均13.23%にアンダーパフォームしたからです。

一方で、低PER株を大型株に限定すると異なる結果が導き出されました。同期間、大型低PER株に投資した場合のトータルリターンは14.10%と、全銘柄を対象に投資した場合のそれを1%pt上回ったのです。

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なぜ、全銘柄を対象にした場合と、大型株に限定した場合とでパフォーマンスに差がでるのかというと、全銘柄を対象にした場合では、低PER株の小型株は買い意欲のわかない正真正銘の腐った銘柄が多いからです。

そもそも小型株ほど収益の拡大が期待できるものですが、それすら期待できない小型株は何かしらの問題を抱えている場合が多いからです。従って、そうした銘柄は永遠に割安な銘柄に成り下がってしまうためパフォーマンスに貢献しないと推測されます。

一方で大型株はすでに巨大な市場で安定したキャッシュフローを稼げる仕組みを作っているため、一時的な要因で株が売られて低PERになっている場合が多く、PERがバリュエーションを示す有効な指標になっているというわけです。そこで、現代の大型低PER株はどの銘柄かというと、下の表のような銘柄になります。
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これは2016年12月末時点で最もPERの低いダウ銘柄です。

米最大の損害保険会社のトラベラーズ(TRV)、機械機器コングロマリットのユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)、
クレジットカード大手のアメリカンン・エキスプレス(AXP)など魅力的な銘柄が多いです。

投資には絶対儲かる法則というものは存在しません。しかし、儲かるかどうかは別にして市場平均に勝ちやすいパターンと言うのは確かに存在します。それが高配当株や低PER株投資だったりするのです。

高配当株や低PER株に投資して配当を再投資した場合のトータルリターンは市場平均をアウトパフォームしやすいですが、儲かるかどうかは、市場平均そのものが上昇しなければなりません。市場平均そのものが下落し続ければ、例え市場平均にアウトパフォームしていたとしても、損をする場合だってあるということです。

ただし、ウォーレン・バフェットの言葉を借りれば「米国経済の成長は誰にも止められない」とのことですから、バフェット太郎は高配当株や低PER株への投資は長期投資であれば報われると確信しています

グッドラック。
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(参考文献:「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」「ウォール街で勝つ法則 - 株式投資で最高の収益を上げるために」)