バフェット太郎です。

投資家の中には過度に分散投資している人がいますが、これはあまり合理的だとは言えません。場合によっては注ぎ込む金額が少ないことが、かえって失敗になることがあるからです。

日本株から米国株に転向してきた投資家にとって、米国の株式市場はまさに「宝の山」に見えていると思います。高い営業利益率、高いキャッシュフロー・マージン、高いROE、長い連続増配実績、強力なブランド力など、どれも日本株の比ではないのです。

それ故、投資家は分散投資という言い訳をして、あれもこれもとどんどん銘柄を欲しがります。その結果20~30銘柄、場合によっては50銘柄と過度な分散投資をすることになり、保有銘柄を管理しきれなくなるのです。

しかし、バリュー株投資の父であり、伝説的名著となった「賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法 」の著者であるベンジャミン・グレアムもまた、過剰な分散投資を好んだ一人です。グレアムは「ネットーネット株」を選好して広く分散投資していました。

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「ネットーネット」株というのは、運転資本の価値よりも割安になっている株のことで、具体的に言うと、企業にある現金と、現金と同等の流動性をもつ資産を額面で評価し、売掛金と在庫の割引現在価値を求め、その合計から負債を差し引き、算出された数値を発行済み株式総数で割り、一株当たりのネットーネット価値をはじき出すというものです。

このネットーネット価値を下回る株を買うことは、あたかも1ドルを60セントで買うようなものと表現され、グレアムはこうした割安株に広く分散投資し、資産を拡大させていったのです。ただ、こうしたネットーネット株というのは財務分析に重きを置いているので、条件を満たす割安株を機械的に選んだ結果、広く分散投資するはめになったと思われます。

一方でバフェットはこうした分散投資に対して「合理的ではない」と考えていました。なぜなら、「時には信じられないような大チャンスが巡ってくるから」というのがその理由です。

例えば、保険会社ガイコへの投資がまさにそれで、当時バフェットの全資産の75%をガイコに投資し、成功させました。つまり、優良株が何らかの外的要因で株価が急落している局面では、それを大きく買い増すことで、過度に複数の銘柄に分散投資するよりも素晴らしいリターンが期待できるというわけです。

グッドラック。
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