バフェット太郎です。

世界最大の資産運用会社ブラックロック(BLK)が第4四半期決算を発表しました。内容はまちまちでした。

EPSは予想5.02ドルに対して、結果5.13ドルと予想を上回りました。

売上高は予想29億3000万ドルに対して、結果28億9000万ドルと予想を下回りました。

運用資産額は5兆1500億ドルと前年同期比11%増でした。

四半期配当は2.29ドルから2.50ドルへ引き上げられました。

自社株買い枠も600万株追加し、最大900万株の自社株買いが可能になりました。

トランプ相場の恩恵を受けて資産額が増加したものの、アクティブ運用ファンドからは5億4600億ドルの資金が流出しました。一方で「iシェアーズ」のブランドで知られるETFやインデックスファンドなどのパッシブ運用ファンドには883億1000万ドルの資金が流入しました。
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ブラックロック(BLK)の日足チャートです。2017年は弱気相場入りするも、2018年は反対に強気相場になることが予想されるので、中期的に見ればブラックロック(BLK)株はまだまだ投資妙味があります。

それにしてもブラックロック(BLK)の投資資金流出入を見ると、世の中の個人投資家はパッシブ運用一色であることがわかります。しかしそれは当然のような気もします。なぜならアクティブ運用に長期投資してもパッシブ運用に八割くらいの確率でアンダーパフォームすることがわかりきっているからです。
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上のグラフはバンガード500インデックスファンドをアウトパフォームしている米大手投資信託の割合を示したものです。

米大手投資信託のうち全体の二割がインデックスファンドをアウトパフォームしていますが、残りの八割はアンダーパフォームしています。それなら誰も勝つ確率の低いアクティブ運用ファンドなんかに投資せずパッシブ運用ファンドに乗り換えた方が正しいと言えます。

ちなみに投資期間5年間と10年間でアウトパフォームした数値が三倍も違うのは、強気相場と弱気相場の違いにあります。2012年から2016年末までの5年間というのはダウが大きく上昇した強気相場でした。一方で2007年から2016年末までの10年間とは、リーマンショックなど金融危機による歴史的な弱気相場だったので、こういう時だけアクティブ運用ファンドは強いです。とは言っても50%を下回るわけですが。

さて、ほとんどの投資家にとってパッシブ運用ファンドに投資することが最適解であることは歴史が証明している通りです。しかし、すべての個人投資家がパッシブ運用ファンドに投資したらどうなるのでしょうか。結論から言えば合成の誤謬が起きるだけです。

合成の誤謬とは、一人ひとりが正しいとされる行動をとったとしても、全員が同じ行動をとることで悪い結果を招いてしまうことを意味します。

例えば、指数に採用されているというだけでパッシブ運用ファンドが株を買うのなら、例えそれが割高な銘柄であったとしても買われ続けます。そのため投資資金が流入しやすい強気相場では、投資対象銘柄が指数に採用されているかどうかが重要なポイントになり、ファンダメンタルズが軽視されやすくなります。

一方で指数に採用されていない銘柄は指数に採用されている銘柄に比べて強気相場で出遅れやすくなり割安に放置される期間も長くなります。ただし弱気相場では売られにくくなります。

また、株主構成においても主要株主がインデックスファンドが占めるようになるので、企業は安定株主を持つことになります。しかも「物言わぬ」株主です。それが企業に対するチェック機能を甘くする原因になるのなら、企業による不正会計が増える余地が出てきます。また、指数に採用されていない企業は指数に採用されることで物言わぬ安定株主を得ることができるのなら、不正会計をしてでも指数に組み入れられたいという誘惑にかられるかもしれません。

それが株式市場に新たな歪みを生む可能性があるわけです。では、インデックスファンドが厳しいチェック機能を備えればいいと考えるかもしれませんが、誰もそんなことはしません。そもそもインデックスファンドは業者が身銭を切って低コスト運営を実現させています。世界中のETF信者が「低コストこそ正義」みたいなクソ倫理を持ち出してきたせいで、インデックスファンドは企業分析やチェックにまでお金をかけることはできないんです。別の言い方をすれば、パッシブ運用ファンドはアクティブ運用ファンドのファンダメンタルズ分析にタダ乗りしているだけで、パッシブ運用ファンドが主役になれば株式市場から適正な価格形成機能が失われ、アクティブ運用ファンドの優位性が増すだけです。

従って、すべての個人投資家がパッシブ運用ファンドに投資すれば、いずれ合成の誤謬が起き、株式市場は適正な価格形成機能が失われるだけでなく、倫理観の欠如による新たな投資リスクを生み出すことになります。ただしそれはまだずっと後の話なので、今はまだパッシブ運用の優位性による恩恵を、多くのETF信者が享受できると思います。

グッドラック。

(参考文献:「この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講 」「 この世で一番おもしろいマクロ経済学――みんながもっと豊かになれるかもしれない16講 」「 ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉――株式投資の不滅の真理 」)

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