バフェット太郎です。

株式投資の世界には「効率的市場仮説」という言葉があります。これは、数多くの市場参加者はあらゆる情報を正確に把握し、株価は瞬時にそれを織り込みます。従って、市場価格は資産の本質的価値を正確に反映するため、投資家がそれを出し抜いて市場で利益を上げることはできないというものです。つまり、投資家の個別株投資は長期的に見ると市場平均には勝てないということを主張しているのです。

しかし、著名投資家ウォーレン・バフェット氏は「効率的市場仮説」に否定的で、いつかのインタビューで彼はこう答えました。「もし仮に効率的市場仮説が正しいなら、私はこれほどお金持ちになっていなかっただろう」と。

バフェット太郎も「効率的市場仮説」は概ね正しいが常に正しいわけではないと考えています。

例えば、ITバブル期においてヤフーの株価は一株237ドルだったものの、翌年には11ドルになってしまいました。この場合、どちらの時点でも市場は正しかったと言えるのでしょうか。多くの人は少なくともどちらかが間違っていた、あるいはどちらの価格もいきすぎていて間違っていると思うでしょう。しかし、「効率的市場仮説」を盲信している人たちはそのどちらも正しいと信じ込んでしまっているのです。

また、効率的市場仮説が広まったことで、アクティブファンドが悪者扱いされる事態も起こりました。なぜなら、15年以上の長期で運用した場合、75%ものアクティブファンドはS&P500インデックスファンドに勝てないということが明らかになったからです。それなら25%の確率で市場平均に勝つアクティブファンドに投資するよりも、S&P500インデックスファンドに投資した方が賢いということになります。しかし、ITバブル期のように市場の「非効率性」も確認できるので、アクティブファンドを全面的に否定するわけにはいきません。重要なことはバランスであり、バランス感覚は投資経験を積むことで身に付きます。
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現在、原油の急落によりエネルギー関連株が軒並み売られています。このように一方的に売られている状態は効率的であるとは思いません。そのため、バフェット太郎は値下がりしているエクソン・モービル(XOM)の株を一定の運用ルールの下で買い増しています。短期的には含み損を抱える可能性がありますが五年先を考えた場合、決して悪い投資にはならないと思います。なぜならXOMの株価は歴史的な割安水準にあり、加えて、配当利回りが3.45%と高利回りであることから配当再投資を含めたトータルリターンが大きくなりやすいからです。

最後に、これは「効率的市場仮説」を盲信している人たちを皮肉った例え話です。

ある日、効率的市場仮説を説く教授が教え子と一緒に散歩していました。すると教え子が「先生、あそこに10ドル札が落ちていますよ」

すると教授はこう答えました。「君、あれが10ドル札であるはずがないよ。もし仮に10ドル札だとすれば、他の誰かが拾ってしまっているはずだからね」

教授が立ち去った後、教え子は落ちていた10ドル札を拾い、一杯のビールにありいたとさ。おしまい。

グッドラック。


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