バフェット太郎です。

投資家のみなさんは「あの株を20年前に買っていたら今頃資産は何十倍にもなった」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、それを行動経済学の世界では「生存バイアスの罠にハマる」と言います。

生存バイアスとは、生き残っている一部のデータだけを抜き取り、淘汰された無数のデータを計算に入れないことを言います。

例えば、学校の部活の監督が「俺は体罰のおかげで成長できた」と主張し、子どもたちに体罰を繰り返したとします。監督は子どもたちに良かれと思ってやっていますが、これは生存バイアスの罠にハマっていると言えます。監督は体罰で成長できたかもしれませんが、体罰で成長できなかった多くの子どもたちを計算に入れていないからです。

こうした生存バイアスの罠は誰もがハマる危険性があります。かの有名なファンドマネジャー、ピーター・リンチ氏だってハマっていたのです。

ピーター・リンチ氏は著書『ピーター・リンチの株の法則 』でトイザらスの株を売ったことを後悔しています。トイザらスの株を売らずに買い持ちしていたら株価が300倍にも成長していたからです。他にも売ってしまったことによって後悔している銘柄をいくつも紹介していますが、これは典型的な生存バイアスにハマっている例です。

ピーター・リンチ氏はトイザらスの株など、買い持ちしていれば株価が何十倍にもなった銘柄をいくつも売ってしまいましたが、同時に、売ったおかげで損を回避できた銘柄もたくさんあったはずです。ピーター・リンチ氏は同時に1400もの銘柄を保有していたと言われていますから、保有していれば大化けしたであろう銘柄を持っていた時期もあれば、保有していれば大損していたであろう銘柄も持っていたことになります。

つまり、ピーター・リンチ氏はトイザらスの株だけでなく、保有していれば大損したであろう銘柄も事前に売ることができたので、高いパフォーマンスが達成できたと言えるのです。

最近あまり話題になりませんが、昨年、米ハンバーガーチェーンのシェイクシャック(SHAK)が東京・青山に出店しました。シェイクシャックは昨年上場したばかりで、まだ売上高や店舗数も少ないですが、未来の大化け株として長期保有している投資家が少なくありません。

スターバックス(SBUX)は92年の上場当時から現在まで保有していたら、株価は150倍にもなったそうです。SHAKも同じように100倍、200倍と大化けするかもしれませんが、ピーター・リンチ氏が売ったおかげで莫大な損失を出さずに済んだクソ株と同じように、淘汰される可能性があることを忘れないでください。

グッドラック。