バフェット太郎です。

世の中には他人の不安を煽って商売をしている人がたくさんいます。これは恐怖や不安から逃れるためなら、喜んでお金を払うバカがいるからです。

90年代のバブル崩壊以降、日本では資産価格が下落し、長期不況に苦しみ、人々は明るい未来を思い描くことが困難になりました。これは、年金制度が事実上崩壊していて、制度維持のために階級的な増税と給付額の大幅な引き下げが必要であることが要因として挙げられます。つまり、人々の不安の源泉はここにあるわけで、そうであるならば、不安を解消することは事実上不可能です。

そのため、保険会社や不動産会社、マルチ商法や新興宗教まで多種多様な「不安産業」が成長する余地があります。多くの人々は新興宗教やマルチ商法にハマっている人をバカにしますが、確実に損することがわかっているのにも関わらず、ガン保険や入院保険に加入している人も同じようにバカなので安心してください。つまり、ヒトはそれほど多くは違わないのです。
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そう考えれば、投資の世界だって同じです。今の日本では、高齢者が満足のいく職を得るのは難しく、年齢を重ねるたびに人生の選択肢は狭まっていきます。年金だけが生活の支えになる人にとって、給付額の大幅な引き下げは、首に巻かれた紐を少しずつ締めていくことに他ならないので、年金以外の収入源を作りたいと考えるのは当然の欲求です。

そこで不安産業のセールスマンはこうアドバイスします。「日本人の平均寿命はこれからまだまだ延びますし、医療費だって増えます。将来のインフレを考えれば、安心して老後を過ごすのに1億円の貯金が必要と言われています。ちゃんと準備されていますか?」

もちろん、誰も1億円なんて準備できているはずがありません。家計を管理している奥さんはパニックになり、家計を管理したこともないご主人は「う~ん…」となります。

そこで不安産業のセールスマンは「安心してください。準備されていなくても、退職金の3000万円があればオーストラリアやブラジルの国債に投資することで安心して老後が過ごせますよ」と、退職金をまるまる金融市場に引きずり込もうとするのです。

そもそも一般の生涯収入が2億円と言われている日本のサラリーマンにとって、60歳の定年時に用意できるお金なんて、せいぜい1000万円+退職金くらいで、1億円なんて不可能なんです。その不可能を可能にするには金融市場という名のカジノで投資という名の壮大なギャンブルをするしかありません。

もちろんカジノでは素人が身ぐるみを剝がされることになっているので、多くの未熟な投資家は投資したことを後悔するわけですが。

このように、人々は年金制度が再び信頼を取り戻し、賃金が右肩上がりで増え続けるような不安のない世の中になるまで、不安産業にお金を払い続ける構図が変わることはありません。

グッドラック。

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