バフェット太郎です。

iシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)の過去15カ月(2015年12月末~17年3月末)のトータルリターンは+18.68%でした。(税引き前の分配金を配当再投資したと仮定)
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一方で、バフェット太郎10種は同+17.74%とiシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)に対してー0.96%ptアンダーパフォームしました。この数値はIVV同様、税引き前の配当を再投資したと仮定した数値です。
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累積収益額は5万8437.81ドル(約650万円)となりました。累積収益額は配当再投資を含めた利益です。
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バフェット太郎10種がS&P500指数をアンダーパフォームした主な要因は、3月のダウ平均がー0.72%と低調だったのに対して、S&P500指数はー0.04%とほぼ横ばいだったためです。特にハイテク株がS&P500指数全体を押し上げました。

★★★

投資の世界では「何に投資すべきか」の問いに「S&P500ETFに投資して配当を再投資しろ」という明確な答えがあります。これは著名投資家ウォーレン・バフェット氏など、多くの著名投資家が賛同する意見です。

しかしペンシルベニア大学のジェレミー・シーゲル教授によれば、S&P500ETFに投資するよりももっと良い投資戦略があるとして、S&P100種に採用されている安定高配当株(過去15年間で一度も減配しなかった高配当株)に投資して配当を再投資する投資戦略を推奨しました。

バフェット太郎はまさにこの条件に適う銘柄10社に均等分散投資して、配当を再投資戦略を実践しているのですが、この投資戦略の弱点は強気相場にあります。

過去の経験則に従えば、S&P500指数と配当貴族(25年以上連続増配)指数の配当再投資含むトータルリターンの推移は以下の通りでした。
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1990年(A)から2000年(B)にかけて10年間(90年以前を含めるとさらに長くなると思いますが)、配当貴族指数はS&P500指数に大幅にアンダーパフォームしました。これは2000年のITバブル崩壊を前にハイテク関連株が軒並み上昇したためで、資本財株や生活必需品株を中心とした配当貴族指数は大きく後れを取ったのです。ちなみに、この時ハイテク関連株に一切投資をしてこなかった著名投資家ウォーレン・バフェット氏は世間で「時代遅れの投資家」と揶揄されました。

しかし、その後ITバブルが崩壊すると、配当貴族指数に採用されているディフェンシブ銘柄を中心に買いが集まりました。2001年から2007年(D)にかけて配当貴族指数がS&P500指数に対して大幅にアウトパフォームすると、バフェット氏は再び称賛されました。

そして2008年(E)のリーマンショックを乗り越えると、2014年末(F)にかけて再びプラス幅が拡大しました。つまり、配当貴族指数は強気相場でこそ市場平均をアンダーパフォームしやすいものの、バブル崩壊や金融危機の度に配当利回りの大きさがパフォーマンスに寄与するというわけです。

従って、現在のトランプラリーでバフェット太郎10種がS&P500指数に後れを取るのはもともと想定され得ることで、投資戦略を変えなかればならないということではないのです。しかし、こうした歴史を知らない多くの投資家は、市場平均に勝てないとわかるとすぐに諦めて値上がり益が期待できる資本財株などに乗り換えたりします。

そのため投資経験の長い投資家ほど、好況局面で大きな値上がり益が期待できる資本財株を中心に投資し、バフェット太郎が保有しているようなディフェンシブ銘柄を「まるで初心者が保有しているような銘柄」と揶揄して敬遠します。しかしこれは、歴史を知らない投資家が相場に振り回されているにすぎないのです。

とは言え、2017年が過去の1990年にあたり、これから10年にも及ぶ強気相場が始まるとしたら、バフェット太郎10種は今後10年間S&P500指数にアンダーパフォームし続けることを意味します。

多くの投資家は「そんなに長く強気相場が続くわけないだろ」と思うかもしれませんが、歴史を振り返れば1982年から2000年にかけて18年にも及ぶ長期の上昇トレンドが形成されたことを考えれば、2009年2月の底値からまだ8年しか経っていない現在、これから10年間の強気相場が続かないという保証はどこにもないのです。

ちなみに18年間の長期上昇トレンドと言っても常に右肩上がりというわけではなくて、87年のブラック・マンデーや90年の湾岸戦争、91年のソ連崩壊、94年の南米の累積債務問題に97年のアジア通貨危機、98年のロシアデフォルトに00年のITバブル崩壊まで、数々の短期的な調整局面があったことも忘れてはいけません。

バフェット太郎のように配当貴族銘柄に投資して、配当を再投資しようと考えている投資家は、このような調整局面を乗り越えて再投資し続けることを覚悟しなければなりません。

グッドラック

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