バフェット太郎です。

地政学リスクの高まりを受けて、ダウ平均は前日比ー59.44ドル(ー0.29%)安の2万0591.86ドルと続落した一方、米10年債が買われて利回りは2.28%と、2.30%の大台を割り込みました。また、ドル円も109円台の大台を割り込み、108円台で推移しています。

【ダウ平均:日足】
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【米10年債利回り:日足】
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【ドル円:日足】
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株が売られ、安全資産とされる債券や円に資金が集まっています。

債券や円に資金が集まっているということは、投資資金がリスク資産から安全資産に逃避していることを意味します。これは市場参加者たちが米国による北朝鮮の攻撃を予想しており、米国には戦争を始めるインセンティブがあると考えているからです。

もちろん21世紀の現代において、戦争が好景気を生むなんていう神話はとっくに崩壊しています。これは先進国の産業構造が、軍事兵器を大量に生産して利潤を得る工業国から、サービスや技術中心の経済へと大きく変化したためです。

それでも米国に戦争を始めるインセンティブがあるのは何故かと言うと、FRB(米連邦準備制度理事会)がバランスシートを縮小したいと考えているからです。

今月5日に公表された3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨によれば、大部分のメンバーがバランスシートの規模縮小を年内に開始することを支持しており、6月、9月、12月のいずれかに着手する見込みです。

【FRBのバランスシート】
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FRBのバランスシートの規模は約4兆5000億ドル(約490兆円)あり、その内の半分が国債(紺色部分)です。そしてもう半分がMBS(住宅担保証券)です。

08年の金融危機以降、FRBは米国経済を下支えするためにバランスシートの規模を大幅に拡大させてきましたが、これは同時に巨大な債務を膨張させて将来にツケを回してきたことを意味します。

そしてそのツケを払う将来というのが「今年」であるわけですが、一体誰がこれほど膨大な国債を買い取るのでしょうか。世界に目を向ければ、今、大量の「買い」需要が生まれています。

先に述べたように、地政学リスクの高まりを受けて、投資資金はリスク資産から安全資産に逃避しており、米10年債利回りが買われています。そして北朝鮮と米国との間で戦争勃発となれば投資家はパニックに陥り、さらに米国債を大量に購入しようとします。

実際に戦争が起きるかどうかは別にして、戦争が起きた場合、それはFRBのバランスシート縮小にとって都合の良いことであることは確かです。しかし、それをパニック状態で買い漁った投資家たちが、再び投資資金を安全資産からリスク資産へと振り向ける時、大量の米債売りが発生するわけですが、損をするのは投資家たちなので、FRBにはあまり関係なさそうです。

グッドラック。

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