バフェット太郎です。

先日、仮想通貨ビットコインが25日の高値34万7000円台から27日には一時20万3000円台をつけるなど、たった二日でー41.5%も大暴落しました。

暴落の背景には、大口投資家が大量にビットコインを売却したことにより、相場が急落。これに驚いた経験の浅い未熟な個人投資家たちが狼狽売りした結果、売りが売りを呼ぶ形となったようです。しかし、その後は再び買い戻され、27万円前後で取引されています。

【BTC/JPY(ビットフライヤー)】
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そもそもビットコインがこれまで急騰してきた背景には、4月1日に日本で仮想通貨を決済手段と認定する改正資金決済法が施行されるなど、新規制が導入されたためです。

これにより7月からは外食や小売店、航空券、光熱費の支払いにまで使えるようになるため、日本の投資家がこぞってビットコインを買い漁り始めました。

そのため、一時は中国人の資産防衛のために大量に購入されていたものの、今では円建ての取引きが全体の31%にまで増えるなど、ドル建てにほぼ匹敵する水準にまで成長しています。

ちなみに全盛期にはビットコイン取引の90%以上が中国で行われていましたが、中国人民銀行(中央銀行)が三大取引所に対して、反マネーロンダリング(資金洗浄)規制を義務付けたことや、自国内の仮想通貨取引所でビットコインの引き出しを停止するなどの規制を導入したことで、中国人のビットコイン取引は急減しました。

さて、多くの人々は依然としてビットコインに懐疑的で、ビットコインへの投資はギャンブルと同じだと考えています。しかし、これはビットコインに投資している人たちも同じで、彼らもギャンブルだとわかって投資しています。

そもそもビットコインには、株式投資のようにPERとかPBRなどの投資尺度がないため適正水準がわかりません。そのため、1ビットコイン30万円は割高なのか、あるいは割安なのかということがわからないので長期の資産運用における主力の投資先とはなり得ません。

それでも日本の個人投資家がビットコインの魅力に取りつかれている理由は、将来の決済手段云々ではなく、小資本で誰もがお金持ちになれる可能性があるからに他なりません。

日本経済新聞によれば、約3年前から仮想通貨に累計800万円を投じてきた男性会社員(34)は、保有時価が一時3億円を超えたそうです。こうした夢のある話に釣られて、FX経験者を中心とした新たな投資家を呼び込んでいます。

彼らは当然「速攻でお金持ちになりたい!」と考えているからに他ならないわけですが、何もすべての参加者たちが「楽してお金儲けしたい!」と考えているわけではありません。いつまでもリスクに晒されていることが怖いのです。

何をリスクに晒されているかと言うと、「人的資本」です。多くの人々は働いてお金を稼いでいるわけですが、会社がいつまであるかわからないし、ある日ボーナスが突然大幅にカットされるかもしれません。あるいはリストラされるかもしれませんし、あまりの激務に体調を壊して退職や転職を余儀なくされるかもしれません。そうならないうちに、金融資本を金融市場に投下することで資産形成したいと考えているのです。

しかし、多くの人々はたった数百万円の投資用資金しか金融市場に投下できないので、短期的に値上がり益の見込めるリスクの高い取引しか選択肢の余地がなく、結果的にFXやビットコインのようなリスクの高い取引をするしかありません。

実はこうした心理はすべての個人投資家が持っています。米国株投資家の中にも、最近、長期投資戦略を放棄してアルファベット(GOOGL)やアマゾン(AMZN)など、短期的に値上がり益の見込める銘柄に乗り換える人がいます。彼らもFXやビットコインに投資する人と同じく、いつまでも人的資本を労働市場のリスクに晒しておくのは怖いと考えているのです。結果、労働市場のリスクを恐れている個人投資家が、60歳にならないと成功できない長期投資を放棄して、少しでも早く結果が得られそうな銘柄に投資するわけです。

別の言い方をすれば、安定した心地の良い労働市場に人的資本を投下している人ほど、長期投資に向いている一方、不安定で居心地の悪い労働市場に人的資本を投下している人ほど、長期投資には向いていないと言えるのです。(短期投資が向いているというわけではない)。

グッドラック。

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