バフェット太郎です。

ネット小売り最大手のアマゾン・ドット・コム(AMZN)の株価が一時1000ドルの節目を突破するなど、ハイテク株が全般的に好調です。こうしたことを背景に、一段とグロース株に注目が集まり、自称長期投資家たちも次々と高配当のバリュー株から利益成長の見込めるグロース株に乗り換えています。(ちなみに、アマゾンは純粋なハイテク株とは言えませんが、「FANG」銘柄の一部としてハイテク株と一緒に扱われることが多いです)。

【アマゾン・ドット・コム(AMZN)】
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S&P500指数に含まれているハイテク大手で構成するテクノロジー・セレクト・セクターSPDR(XLK)は、年初来で17%の上昇と、セクター別指数の中でトップの上昇率を誇っています。

【テクノロジー・セレクト・セクターSPDR(XLK)】
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また、フェイスブック(FB)、アマゾン(AMZN)、ネットフリックス(NFLX)、アルファベット(GOOGL)のティッカーシンボルの頭文字を取った「FANG」銘柄は、S&P500の時価総額に占める比率が約7.5%と、5年前の3%から大幅に拡大しました。

現在、S&P500指数構成銘柄におけるハイテク・セクターが占める割合は23.1%と、過去平均の15.4%を大きく上回っています。また、2000年のITバブル時にハイテク・セクターが占める割合はピークで34%でしたが、これはたった数カ月しかありません。さらに23%の水準を上回ったのも数カ月程度なので、歴史的に見ても現在のハイテク・セクターが指数全体を押し上げている要因になっていることがわかります。

こうした背景には、大型ハイテク株にFANG銘柄のみならず、マイクロソフト(MSFT)やアップル(AAPL)、ビザ(V)、マスターカード(MA)など優良ハイテク株が多く、業績が好調で今後も利益成長が期待できるという要素が挙げられます。つまり、これは2000年のITバブルのような虚構ではなく、利益に裏打ちされた株価の上昇であるため、投資家は概ね楽観的に捉えており、未だにガンガン株を買い増ししています。

一方で、相場に乗り遅れることを極端に恐れている投資家からも買いが入っています。多くの投資家は自分が他人より優れていると考える傾向があるし、平均以上の投資スキルを持っていると思い込んでいることから、市場平均に取り残されるわけにはいかないのです。

そのため、これまで地味で退屈なディフェンシブ銘柄中心に運用していた自称長期投資家たちが、こぞって利益成長が見込める将来有望の成長株に食指を伸ばしています。

投資家とは、誰もが大きく儲かっている時に、自分だけ少ししか儲かっていないと不安になるものです。一方で誰もが大損している時に、自分だけ儲かってもいなければ損もしていなければ、楽観的になれるものなのです。

従って、自称長期投資家の多くが途中で長期投資戦略を放棄するのは、今日のような強気相場であることが多いのです。しかし、相場には自然に四季があるようにサイクルがあり、そして潮目があります。この潮目が変わった時、再びディフェンシブ銘柄に注目を集めるわけですが、多くの個人投資家は海から上がってディフェンシブ銘柄に投資しようとするどころか、再び海の中に入って将来有望株ばかり買おうとします。

なぜなら自分だけ海から上がって、楽しんでいるみんなを見るよりも、海の中に入ってみんなと一緒に泳いでいた方がよっぽど楽しいからです。だから潮が引くまで彼らは泳ぎ続けるのです。あるいは、誰が裸で泳いでいるかがわかるまで…。

グッドラック。

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