バフェット太郎です。

ネット小売り最大手のアマゾン・ドット・コム(AMZN)が実店舗を増やす中、小売り最大手のウォルマート・ストアーズ(WMT)はネット通販を急拡大するなど、ネットとリアルの境界線が無くなりつつあることで競争が激化しています。

米ネット通販市場ですでに四割超のシェアを握るアマゾン(AMZN)は、リアル書店「アマゾン・ブックス」を出店し、さらにレジのないコンビニ「アマゾン・ゴー」をテスト中です。(現在、システムの不具合で一般公開は延期)。

一方、ウォルマート(WMT)が先日発表した第1四半期決算は、ネット通販の売上高が前年同期比63%増と急拡大しています。ネット通販部門トップのマーク・ロア氏は2日の株主総会で、「我々はゲームチェンジャーになれる」と語るなど、強気の姿勢を示しました。

もともとマーク・ロア氏はネット通販企業「ジェット」の創業者で、「打倒アマゾン」を掲げる野心的な男です。そんな彼に目を付けたウォルマート(WMT)は、4000万ドルもの赤字を出すジェットに、33億ドル出して会社まるごと買収したのです。別の言い方をすれば、33億ドルでロア氏を手に入れたわけです。

ロア氏は株主総会で、ウォルマートの強みである、「米国民の9割を半径10マイル(16㎞)以内にとらえる店舗網」を武器に、店舗の従業員が帰宅途中に商品を配達する試験サービスを始めたと発表しました。

この試験サービスは、ウォルマート本社近くの一店舗と、ジェットのオフィスに近い二店舗の計三店舗で数週間だけ行われている小規模なもので、店員が配達した商品は今のところ数百件に留まっています。

しかし、ラストワンマイルを競うネット小売り業界において、このサービスの意義は大きいです。

そもそも「ラストワンマイル」は、消費者が小売店で商品を購入し自宅に持ち帰る距離で、いわゆるセルフサービスにあたるわけですが、このラストワンマイルを制する者が流通業を制すると言われていて、ウォルマート(WMT)がこれを制する可能性が大きいです。

ウォルマート(WMT)は国内に4700店舗を展開し、100万人以上の従業員を抱えています。彼らが通勤するルートや道沿いにどれほど多くの住宅があるかを想像すれば、このサービスへの期待値と成功する確率が高いことがわかります。

アマゾン(AMZN)はネット小売り業として、店舗や店員を抱えずに成長してきました。そして実店舗の「アマゾン・ゴー」でもレジなしで店員を最小限に抑えることを目指しています。

しかし、まさに今、アマゾン(AMZN)がこれまで避けてきた店員が「ラストワンマイル」を制し、流通業を制しようとしているのは何とも皮肉なことかもしれません。

【ウォルマート・ストアーズ(WMT):日足】
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株価は二年ぶりの高値水準にあるなど好調です。

グッドラック。

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