バフェット太郎です。

原油先物価格が前日比-5%安と急落し、一カ月ぶりの安値を付けました。原油先物価格が下落した主な要因は、米原油・ガソリン在庫が予想外に増加したことに加えて、OPEC(石油輸出国機構)による協調減産の実行力に懸念が広がったためです。

EIA(エネルギー情報局)によると、米国の週間原油在庫は減少することが予想されていたものの、330万バレル増の5億1300万バレルとなりました。

また、協調減産で合意したOPEC加盟国内で亀裂が走っていることも原油先物相場を押し下げる要因となりました。

今月7日、イランの首都テヘランの国会議事堂とイスラム革命指導者のホメイニ師をまつる霊廟(れいびょう)が同時に襲撃された事件を巡って、イランの革命防衛隊は、サウジアラビアが事件に関与したとして非難しました。しかし、これは過激派組織「イスラム国(IS)」によるもので、サウジアラビアのジュベイル外相は、「犯行に及んだ者について知らず、自国過激主義者の関与を裏付ける証拠は存在しない」と述べるなど、自国の関与を否定しました。

さらに先日、サウジアラビアはアラブ首長国連合(UAE)、エジプト、バーレーン各国と協調して、カタールとの国交を断絶し経済封鎖することを決定しました。これは、カタールがパレスチナ自治区を実効支配するハマスやエジプトのムスリム同胞団など、イスラム原理主義組織の武装集団を支援しているためです。さらにシリアなどの過激派組織との関係も一部で維持していることから、状況を変えたいサウジアラビア、UAE、エジプト、バーレーンが協調して国交を断絶したわけです。

ちなみに、「国交断絶」は過去数十年間で最も緊迫した状況だと言えますが、サウジアラビアがこのような厳しい決断をした背景には、先月に同国を訪問したトランプ大統領がサウジアラビアへの協調姿勢を示したことで、強力な後ろ盾を得たからだと考えられています。

★★★

さて、通常、中東産油国で混乱が起これば、原油の輸出に支障をきたすことが懸念されて、原油高になる傾向があります。しかし、現在のように産油国が協調して減産している状況では、この協力関係が崩れてしまうため、各国が裏切り合い、増産体制に入ってしまう懸念から原油安に拍車をかける可能性が高いです。

そうしたことに加えて、米国で夏のドライブシーズンで需要が押し上げられている中でガソリン在庫が増えてしまったことや米シェールオイル企業による増産などが重なって、原油価格の上値が重い展開が続きそうです。

【原油先物価格:日足】
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原油先物価格は弱気のトレンドチャネルを形成しています。

グッドラック。

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