バフェット太郎です。

日本企業の平均ROE(自己資本利益率)が8.7%と言われる中で、日本株しか知らない投資家はROE10%という数字を十分満足のいく数字だと考えます。しかし、米国企業の平均ROEが15%だということを知っている投資家にとって、ROE10%は平均以下でしかなく、とても満足のいく数字だとは言えません。

そもそもROEとは、経営効率が優れているか、あるいはそうでないかを計るモノサシで、純利益を自己資本で割って算出します。例えば、1000万円の資本で100万円の利益を生み出した場合、ROEは10%ですが、500万円の資本で100万円の利益を生み出した場合、ROEは20%となります。

投資家は同じ100万円の利益を稼ぐ企業でも、使う資本が小さい企業を好みます。これは、使う資本が小さい企業ほど投資家にとって都合が良いからです。

例えば、ROEの低い日本企業を例にすると、500万円の資本で100万円の利益を生み出すことのできる企業が平気で1000万円の資本を持ってたりします。これは、「将来、設備投資に多額の費用が必要になるかもしれない」とか、「大型のM&Aをするかもしれない」とか、「大不況が来るかもしれない」など、将来の不確実性に備えるためです。

こうすることで財務の安定性を高め、不確実性の高い未来に備えることができますが、内部留保に積み上げられた余剰金は何の価値も生み出さないので経営効率は悪くなります。

一方で、米国企業を例にすると、500万円の資本で100万円の利益を生み出すことのできる企業は、それ以上資本を積み上げることなく、配当や自社株買いを通じて株主に還元されます。

投資家は還元された配当を再投資するなどして、お金を効率よく働かせることでリターンの最大化を狙うことができます。従って、ROEの高い米国株に投資した方が、ROEの低い日本株に投資するよりもリターンが期待できるというわけです。

ただし、高すぎるROEには気を付けなければなりません。

経営の効率性を優先したいなら安全性を犠牲にしなければなりませんが、安全性を優先したいなら効率性を犠牲にしなければなりません。つまり高すぎるROEとは安全性を大きく犠牲にしていることに他ならないのです。

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そのため、企業は財務の健全性と資本効率をいかに高い次元で均衡させるかが命題となっています。

そして、これらを高い次元で均衡させるためには、高い競争優位性が必要になります。高い競争優位性とは、競合他社と比較して価格やサービス、ブランド力が優れていて、参入障壁が高いことなどを意味します。

具体的な例を挙げると、紙巻きたばこの「マールボロ」や電子たばこの「iQOS(アイコス)」を展開するフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)です。

たばこ業界を取り巻く規制は厳しくなるものの、一度築いたブランドとシェアは崩れにくいため、世界中で安定した収益が持続的・永続的に期待できます。そのため、フィリップ・モリス(PM)は自己資本比率を-34.43%と債務超過になるまで安全性を犠牲にする一方で、経営効率を極限まで高めることができています。(ちなみに、自己資本比率がマイナスであるため、ROEは測定不能です)。

フィリップ・モリス(PM)のように競争優位性を有しているなら企業なら、自己資本比率が低くても安心して投資できますが、競争優位性がろくに無い企業でROEが高いのなら、それは単純に破綻リスクの大きい投資になるので気を付けなければなりません。

こうしたことに気を付けたうえで、ROEの高い米国株に投資した方が、ROEの低い日本株に投資するよりも長期的に報われると思います。

グッドラック。

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