バフェット太郎です。

ウォールストリート・ジャーナルによれば、米小売最大手のウォルマート・ストアーズ(WMT)は、米ネット小売り最大手アマゾン(AMZN)のクラウド・サービス、「アマゾン・ウェブ・サービス」(AWS)を利用する顧客(納入業者)とは取引しない方針であることを明らかにしました。

先日、アマゾン(AMZN)が自然食品スーパーマーケット大手のホールフーズ(WFM)を買収すると発表したことを受けて、米小売り株は軒並み急落しました。これはアマゾン(AMZN)の圧倒的な力の前に既存の小売企業は太刀打ちできず淘汰されると予想されたためです。

アマゾン(AMZN)の株価が急騰している要因はネット小売り事業が好調だからではありません。同社が展開するネット小売り事業は相変わらず収益性が低いままです。しかし、クラウド事業の「AWS」が急成長しており、第1四半期の営業利益8億9000万ドルに対して、7億9000万ドルをクラウド事業が稼ぐなど収益柱に成長しています。そしてこのクラウド事業の成長力が投資家の期待を高めており、時価総額を世界第四位に押し上げているのです。

世界のクラウドインフラ市場のシェア44%をアマゾン(AMZN)の「AWS」が占めており、二位マイクロソフト「アジュール」の11%を大きく上回っています。

そのため、ウォルマート(WMT)はアマゾン(AMZN)の収益柱である「AWS」の競争力を阻害するために「アジュール」の成長を後押ししているのです。「AWS」の成長力が鈍化し、競争力が低下すれば当然投資家の期待が失望に変わり、株価は急落します。(なぜなら期待だけで株高になっているからです)。

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また、こうした圧力は何もウォルマート(WMT)だけがかけているのではなくて、他の大手小売業者も同様に顧客に対して「AWS」を使用しないように要請しています。つまり、アマゾン(AMZN)という巨大な城の城壁は、次第に敵に囲まれ始めているというわけです。

さて、棚から牡丹餅的に仕事が舞い降りてきたマイクロソフト(MSFT)はさっそくそれを実感しているそうです。ウォルマート(WMT)のおかげでデータ分析会社ニールセンからクラウド関連の取引を獲得するなど、「アジュール」にとってウォルマート(WMT)は有数の大口顧客になりました。

また、ハイテク企業の中にはウォルマート(WMT)との取引を獲得するためにアジュール用のアプリケーションを開発するなど、ウォルマートが納入業者を動かし、納入業者がハイテク企業を動かすなど、ウォルマートを中心とした反撃がクラウド業界で見られ始めています。

グッドラック。

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