バフェット太郎です。

投資家の中には日本株は米国株に比べて為替リスクがなく、税制上有利であることから安心して投資ができると誤解している人も少なくありません。

【日経平均とドル円:2000-2017】
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チャートは日経平均とドル円の長期チャートですが、概ね逆相関の関係で推移していることが確認できます。つまり、株高なら円安、株安なら円高になるため日本株に投資してもあまりリターンが期待できないのです。その証拠に過去17年間を振り返っても、日経平均株価は年率平均1.80%の成長に留まり、ドル建てで見た場合の日経平均株価に至っては年率平均1.36%に留まるなどパフォーマンスは悪いです。

一方で、ダウ平均とドル円は必ずしも逆相関の関係を示しているというわけではありません。

【ダウ平均とドル円:2000-2017】
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ダウ平均とドル円のチャートを眺めると、逆相関の局面もあれば相関関係の局面もあります。逆相関の関係では株高ドル安、あるいは株安ドル高であるため資産が大きく動くことはありませんが、株高ドル高では資産が大きく上昇し、株安ドル安では資産が大きく目減りしやすいです。そのため、一見すると為替リスクが大きいと考えがちです。

しかし、過去17年間のダウ平均は1万1215ドルから2万1394ドルと、年率平均6.67%で上昇するなどパフォーマンスは良好です。また、日本の投資家から見た場合の円建てダウ平均が日経平均に比べて特別リスクが高いというわけでもありません。

【円建てダウ平均と日経平均:2000-2017】
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円建てダウ平均と日経平均の過去17年チャートを眺めると、ダウ平均のボラティリティ(変動率=リスク)が日経平均のそれに比べて特別大きかったわけではありません。

また、円建てダウ平均は、年率平均7.15%で上昇していることから、日本の個人投資家は米国株に投資した方がはるかにリターンが大きかったことになります。

加えて、米国企業は日本企業に比べて配当や自社株買いを通じた株主還元に積極的であることから、配当再投資を含めたトータルリターンの差はさらに大きくなることが予想されます。

つまり、為替要因で株安になる日本株に投資する方が、米国株に投資するよりも為替リスクが高いと言えるのです。

ちなみに、配当再投資を含めたトータルリターンでパフォーマンスを比較する場合、日本株から得られる配当金には20%の所得税がかかるのに対して、米国株の場合はそれに加えて現地で10%課税されるため、合計30%の税率がかかります。

ただし、外国税額控除を受けることができるので、現地で課税された10%のうち数%は控除されるため、結果的に約25%程度の税率で済むと思います。

このような税制上、米国株投資は日本株投資よりも不利だとの意見もありますが、ハッキリ言って過去のリターンを見ても明らかなように、そうしたハンディがあったとしても米国株に投資した場合のリターンの方がはるかに大きいです。

例えば、円建てダウ平均の年率平均利回りが7.15%で日経平均のそれが1.36%だったことを考えれば、それぞれに100万円投資した場合、米国株は107万1500円に、日本株は101万3600円になります。

これに加えて配当が2%あったとして、それぞれの税率で掛け合わせると、米国株は108万6500円(うち配当1万5000円)に、日本株は103万4000円(うち配当1万6000円)にしかなりません。

つまり、税制上、外国税額控除後で約5%の不利を受けたとしても、日米の株式配当に与えるリターンの差はわずか0.1%しかありません。それに比べて年率平均利回りは5%(50倍)以上も差があるので、より多くの税金を払ったとしても日本株に投資するより米国株に投資した方が理に適っていると言えます。

従って、「米国株は為替リスクや税制上不利であることから、日本株に投資た方が安心・安全だ」との意見は間違っていることがわかります。

グッドラック。

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