バフェット太郎です。

60年代は人類が初めて月に降り立った時代であり、投資の世界では、「株式投資はPER10-15倍の水準で取引されるべし」という伝統的な法則がはびこっていた時代でした。

当時、社名に「スペース」や「エレクトロニクス」といった単語が入っているだけで人気化する銘柄も少なくなく、PERは100倍以上が当たり前で、これを「トロニクスブーム」と言います。

しかし、甘い観測に基づいて値付けされた株はどれも高PERばかりで、結局どれも大暴落して市場から淘汰されました。

70年、米国でヒッピーやサイケデリックが流行った時代、700ドルだったダウ平均は73年にかけて1000ドルまで上昇しました。これをニフティ・フィフティ(素晴らしい50銘柄)相場と言い、IBMやマクドナルド、デュポン、ゼネラル・エレクトリック、コダック、ウェスティングハウス、ゼロックス、エイボン・プロダクツ、ポラロイドなど当時もてはやされた優良株が軒並み買われました。

その後、74年になるとダウ平均は600ドルを割り込む水準まで売り叩かれ、ニフティ・フィフティのうち27銘柄が直近の高値から平均-84%も暴落したのです。

80年代に入るとコカ・コーラ(KO)やフィリップ・モリス(PM)、マクドナルド(MCD)のような景気に業績が左右されない優良ディフェンシブ銘柄が買われました。

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90年代にはドット・コムバブル相場が始まり、コカ・コーラ(KO)など地味で退屈なダサい銘柄に投資することは、もはや「時代遅れ」と呼ばれ、値上がり益が期待できる将来有望のイケてるハイテク株が投資家から選好されました。

00年になるとドット・コムバブルが弾け、ハイテク株が軒並み大暴落しました。マイクロソフト(MSFT)はー63%安、アップル(AAPL)は-80%安、新興ハイテク企業のアマゾン・ドット・コム(AMZN)に至っては-94%も暴落したのです。

00年代から、米国の投資マネーは新興国市場に流出し、ブラジル、ロシア、インド、中国、それぞれの頭文字を取った「BRICs(ブリックス)」が株式市場の主役になりました。

しかし、08年の金融危機が引き金となり、新興国市場から投資資金が流出、米国の株式市場に還流されました。

さて、2017年現在、世界の投資マネーはフェイスブック(FB)、アマゾン(AMZN)、ネットフリックス(NFLX)、アルファベット(GOOGL)、それぞれの頭文字を取った「FANG」銘柄に流入しています。

その証拠に、S&P500指数におけるハイテク株の組み入れ比率は10年前の15%から23%へと急拡大しています。

投資家が歴史から学ぶことがあるとすれば、市場参加者は歴史から何も学ばないということです。ブームは必ず終焉し、また新しいブームが生まれるのなら、現在ブームになっている「FANG」銘柄はいずれ終焉を向かえると考えることが自然です。

しかし、ブームはいつ終わるかは誰にもわかりません。アマゾン(AMZN)の株価は1000ドルの大台に到達しましたが、これが二年後には3000ドルに到達しているかもしれません。その後、例え-50%安と大暴落したとしても株価は1500ドルで留まるので、今から投資しても問題なさそうです。

ただし、アマゾン(AMZN)の実績PERは200倍、予想PERは140-150倍であることを考えれば、投資家の期待を下回る悪い決算や、株式市場そのものから投資資金が流出してしまう局面では、株価が暴落してしまうリスクも大きいです。

例えて言うなら、ブームに乗る投資というのは、音楽に合わせて踊ることであり、誰もが興奮してハイになっている時に、自分だけそっと会場を後にするような投資スタイルでなければならないのです。

もちろん、それができないから市場から淘汰される投資家がたくさんいるわけなのだけれど。

グッドラック。

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