バフェット太郎です。

スポーツ用品世界トップのナイキ(NKE)の株価が前日比+10.96%高と急騰しました。急騰した背景には利益と売上高がともに市場予想を上回ったことに加えて、米ネット通販最大手のアマゾン・ドット・コム(AMZN)のサイト上で限定商品を販売する試験プログラムを導入すると発表したことが「買い」材料となりました。

【ナイキ(NKE):日足】
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そもそもスポーツブランドを取り巻く環境は、2014年頃から変化しつつありました。ファッション性の高いスポーツウェアを普段着にする「アスレンジャー・スタイル」が流行したことで、競合するアディダスやアンダーアーマー、プーマなどのブランドがナイキの牙城を脅かし始めました。

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さらに昨年、アマゾン(AMZN)がナイキ(NKE)にとって最大の卸売業者の一つだった小売のスポーツオーソリティを経営破綻に追い込んだことで、ナイキ(NKE)はこれまでの戦略の変更を余儀なくされました。

これまでナイキ(NKE)がアマゾン(AMZN)で商品を販売しなかったのは、安売りによってブランド力低下を招く恐れがあったためですそのため、ブランド力を維持したい企業にとってアマゾン(AMZN)で商品を売ることは自分の首を自分で絞めることに他ならなかったわけです。

しかし、小売店が相次ぎ経営破綻したことで大量の在庫が市場に流通してしまいました。結果、転売業者が定価の80~90%引きで購入し、それをアマゾン(AMZN)で転売するなどしたため、ブランド価値が急激に低下するということが起きたのです。

そこで、ナイキ(NKE)はアマゾン(AMZN)と直接販売する見返りとして、アマゾン(AMZN)に対して転売業者が無許可で販売できないように制限することで合意しました。そのため、転売業者には膨大な量の「販売禁止」メールが届いているそうです。彼らは莫大な量の在庫を抱えているので、アマゾン(AMZN)以外の別の通販サイトで転売するしかありません。

また、ナイキ(NKE)の商品を販売していたスポーツシューズショップの株価は軒並み急落しており、フット・ロッカー(FL)の株価は約1カ月前の高値77.5ドルから現在49.28ドルと-36.41%安になるなど大混乱しています。

グッドラック。

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