バフェット太郎です。

投資手法には大きく分けて二つあります。「集中投資」と「分散投資」です。集中投資とは厳選した少数の銘柄に投資することで、分散投資は20銘柄以上(あるいはインデックスファンド)に投資するような手法のことを言います。集中投資の方が分散投資より優れた投資手法だというわけではありませんが、「賢者の集中投資、愚者の分散投資」と言われたりします。
ウォーレン・バフェットは個人投資家にある程度知識があり、株価が割安な企業を5~10社選べるなら、インデックスファンドは無意味だと言います。また、チャーリー・マンガーは優秀な投資家なら分散投資は三銘柄で十分だと言います。こうしたことからバークシャーハサウェイ社のポートフォリオは、ウェルズファーゴ(WFC)、クラフトハインツ(KHC)、コカ・コーラ(KO)、IBM、アメリカンエキスプレス(AXP)のわずか5銘柄で全体の68%を構成しており、厳選した銘柄に集中投資していることがわかります。

こうした集中投資の手法をウォーレン・バフェットはフィリップ・フィッシャーから学びました。フィッシャーはよく理解している少数の企業に投資するほうが、あまり理解していない多数の並の企業に投資するよりもよい、と常に語っていて、10銘柄以内に絞り込んで投資していました。さらにそのうちの3~4社でポートフォリオ全体の75%を占めるなど、積極的な運用をしていました。

集中投資はバフェットのみならず、米国の大物投資家たちも好んでやる手法です。しかし、こうした手法はリスクが大きいことを忘れてはいけません。昨年の一年を振り返っても、リーマンブラザーズの株を空売りして成功を収めたデービッド・アイホーン氏は原油相場を見誤りエネルギー株に集中投資して運用成績を悪化させました。大物原油トレーダーとして知られるアンディー・ホール氏も「世界の原油供給は過剰ではない」と考え積極的に原油を買い向かいましたが、パフォーマンスは年初来で30%近いマイナスとなるなど最悪の結果になってしまいました。その他にもブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏は新興国株への投資で失敗し、カナダの大手製薬会社に集中投資したビル・アックマン氏は同社の不正会計の疑いを指摘されて3000億円の含み損失を抱えました。ヘルスケア関連に集中投資してきた業界の大御所の一人、ラリー・ロビンス氏も次期大統領候補のヒラリー・クリントンがツイッターで薬価引き下げに言及したことからパフォーマンスが悪化しました。

このように、いかに優れた投資家と言えども、失敗することもあります。ぼくたち個人投資家はそうしたプロを笑いものにするのではなく、「明日は我が身」と自分の運用手法を見直すべきです。

周りを見渡せば、一銘柄に集中投資しているアホルダーは少なくありません。そういうぼくも一銘柄だけに集中投資していたアホルダーの時期がありました。一銘柄に集中投資していた理由はリターンが大きいこと。そして何よりカッコいいからです。投資家なら誰もが一度は、上記に挙げたファンドマネジャーのように集中投資して大きく儲けたいと思うものです。

そもそも投資家とは「自分はうまく運用できる」という自信過剰バイアスにかかっている場合が多いです。「投資なんか損するだけ」と思っている人はそもそも投資をやらないからです。一銘柄へ集中投資している投資家とは、その自信過剰バイアスに拍車をかけたように自信に満ち溢れている人なのです。

一銘柄に集中投資する投資家の多くは「超優良株を長期保有すれば必ず儲かる」と信じている人が多いです。確かにそういう場合がありますが、そうでない場合もあるということを忘れてはなりません。経験の浅い投資家や、失敗経験の乏しい投資家ほど思い込みが激しく、リスク分散することを忘れがちです。一方で、多くの経験を積んで、市場の残酷さを知っている投資家ほど、自分の思い通りにいかないことを痛いほど知っているので深みにハマらないのです。

超優良株を長期保有するスタイルは、決して悪い考え方ではなく、むしろ良い投資スタイルだと思います。ぼくが言っているのは、超優良株という理由だけで、一銘柄に集中投資して、買い増しもせずに放置するスタイルは良くないということです。超優良株とて、常に思い通りの決算を出し続けれるわけではありません。為替や市場環境などの外部環境により業績を悪くすることは決して珍しい話しではないからです。

超優良株を長期保有したいなら、複数(8~16銘柄)の超優良株に分散投資し、一度にまとめてドカッと買わずに、値下がりしたら少し買い足して、配当が出たら少し買い足して、そうして長くゆっくりと付き合うことで、銘柄やタイミングを分散した方が良いです。

ちなみに史上最強のファンドマネジャーと言われるスタンレー・ドラッケンミラー氏のような賢者は、ポートフォリオの半分を金ETFとフェイスブック(FB)に集中投資しています。集中投資は莫大なリターンと名声を与えてくれる一方、上記に挙げたファンドマネジャーたちのように大損する可能性もあります。

それでもあなたが集中投資をしたいならぼくは止めません。なぜなら誰もが「賢者」になれる可能性を秘めているのだから。

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