バフェット太郎です。

先週28日、FDA(米食品医薬品局)がたばこのニコチン含有量を、中毒にならない水準に引き下げることを義務付ける新規制を検討していると発表しました。仮にこれが実現すれば、たばこ業界の大幅な規制の見直しとなるだけでなく、たばこ大手各社の業績にも大きな影響を与えることが懸念されます。

この発表を受けて、たばこ業界首位で世界売上高トップの「マールボロ」ブランドを擁するアルトリア・グループ(MO)の株価は前日比-9.49%安、全米二位で「キャメル」や「ウィンストン」、「ラッキーストライク」ブランドを擁する英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)(※17年1月に全米二位のレイノルズ・アメリカンを買収)は-7.04%と急落しました。一方で米国外で「マールボロ」を販売しているフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)は規制適用外のため、株価は+0.27%高と小幅上昇しました。

ただし、フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)は世界各国の規制や税制に左右されやすく、訴訟リスクや為替も大きいのでリスクがないわけではありません。つまり、将来、欧州で同様の規制が採用される可能性は十分あるということです。

【アルトリア・グループ:MO】
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株価は50日移動平均線を割り込み、年初来安値の水準で取引されています。

FDAは、たばこが原因で毎年約50万人もの米国民が亡くなり、米国経済に3000億ドルもの損失を与えていることから、健康被害を低減することを目指しているわけですが、従来の紙巻きたばこと危険性の低い新型の電子たばこを同等に扱おうとはしていません。

FDAは、電子たばこに対して新規制適用を遅らせることで、ユーザーを紙巻きたばこから電子たばこへシフトさせようと考えています。

そもそも、紙巻きたばこは誰もが簡単に製造できる一方、設備投資を必要としないことから、莫大なキャッシュフローが見込める事業になっています。そのため、紙巻きたばこそのものを禁止にした場合、地下経済のアングラマネー拡大の温床となってしまうことが容易に想像できてしまうことから禁止にすることはできません。

そのためニコチン含有量を下げすぎないように、バランスを取りながら紙巻きたばこから健康被害の少ない電子たばこへシフトさせる必要があるわけです。

また、たばこのニコチン含有量を低くする目的が、紙巻きたばこに関連する疾病や経済損失を軽減するためによるものなら、タールなど有害物質を体内に取り込まない、健康被害の少ないとされる電子たばこのニコチン含有量を低くする理由が乏しくなります。

ニコチンの「依存性」が問題なら、ギャンブルや酒、ゲームなども同様に「依存性」があるので、ニコチンだけが特別悪いというわけではありません。あくまでタールを摂取させてしまうという理由でニコチンが問題とされているだけです。

従って、電子たばこは本当に健康被害が少ないのか、あるいは有害なのか。また、ニコチンの「依存性」そのものが問題なのか、あるいはタールなど有害物質を摂取させる手助けをするから問題なのか。

この辺の議論が煮詰まらない限り、電子たばこのニコチン含有量を引き下げることは難しいと思います。加えて、健康被害の少ない電子たばこに喫煙者がシフトすると、喫煙者が長寿化し、長く電子タバコを愛用することも考えられます。(もちろん、ニコチンの含有量が下がれば禁煙に成功する確率も上がり、景気後退局面では電子たばこをやめる人が続出するかもしれません。

こうしたことから、今回のFDAの提言はたばこ業界にとって大打撃になるなんてことにはならないと思います。個人投資家の中にはアルトリア株を慌てて売ってしまった人もいると思いますが、多分後悔すると思いますよ。

グッドラック。

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