バフェット太郎です。

中国株式市場の様子が少しずつ怪しくなってきました。

【iシェアーズ中国大型株ETF:FXI】
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iシェアーズ中国大型株ETF(FXI)は中国の大・中型株で構成される指数に連動するように設計されたETFで組入れ銘柄数は51。金融の比率が約半分を占めています。

指数は16年2月の27.23ptを底値に+57.7%高の42.93ptと好調に推移していますが、実体経済はそれほど好調ではありません。

【中国製造業および非製造業景況指数:PMI】
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(出所:ウォールストリートジャーナル
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中国の7月の製造業PMIは予想51.5に対して、結果51.4と予想を下回ったことに加えて6月の51.7から悪化しました。また、非製造業PMIも54.5と前月の54.9から低下しています。指数は50を上回っていると経済活動が拡大していることを示していて、50を下回ると縮小を示すため、今回の数字は予想を下回ったものの経済活動が拡大していることを示しています。しかしこの半年間、指数の伸び率が鈍化していることも確認できます。

PMIサブ指数のうち、新規輸出受注指数が1.1pt低下して50.9となりました。これは2014年末以来の大幅な落ち込みで、将来の輸出が減少するということは中国経済にとって大きな懸念材料となります。

このように足下の景況感が鈍化するなかで、中国の資産運用業界の規模は拡大を続けています。

【中国の資産運用業界の規模】
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中国の資産運用業界の規模は約60兆元(約980兆円)と、15年30兆元から約二倍に拡大しています。これは行き場を失った莫大な投資マネーが銀行や投資信託会社、証券会社、保険会社など金融機関に流入したためです。

また、このうちの半分近くが銀行が最近組成した理財商品で、投資家たちは銀行の暗黙の保証がある上、短期間で儲かる投資商品として人気を施しています。(もちろん保証されるかどうかはわかりません)。

こうした理財商品は高い利回りも求める中小規模の銀行も購入していますが、理財商品は銀行のバランスシートに計上されないため、どれくらいリスクが高まっているか不透明です。

さらに最近になって社債のデフォルトも加速しつつあります。そもそも中国の規制当局は、これまで破綻の恐れのある企業に対して資本注入するなどして救済をしてきましたが、2014年にデフォルトを認めることを発表し、その後15年に25件、16年79件、17年上期23件とデフォルトが相次いでいます。

17年上期にデフォルトが減少傾向にあるのは政府が国有企業を救済しているためです。これは短期的に見ればプラス材料ですが、適切に信用リスクが織り込まれない市場は長期的に見ればマイナス材料になり得ます。そのため、実体経済と乖離した市場が形成されていることからバブルの懸念が高まっています。

株式市場暴落の引き金は中国経済が引いてしまうかもしれませんね。

グッドラック。

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