バフェット太郎です。

名著『株式投資の未来』などを出版している日経BP社から『マンガーの投資術』(9月7日発売)を献本して頂いたので感想書きます(書けとは言われてない)。
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「マンガーって誰?」っていう投資初心者のために簡単に説明すると、著名投資家ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハザウェイのナンバーツーで副会長です。

もともと弁護士だったマンガーは1959年の夏、35歳の時に父親の遺産を処理するために地元のオマハに戻ることになります。そこで旧友からの紹介でバフェットと出会い、意気投合。マンガーとバフェットは株やビジネスの話に夢中になるあまり、友人たちが帰ったことさえ気づかなかったそうです。これが、二人のブロマンス(男同士の友情)の馴れ初めです。

1961年、マンガーは投資パートナーシップを設立。多額の借入金を活用した裁定取引をするなど、グレアム流のバリュー株投資を実践しているバフェットとは一線を画す投資スタイルでした。そして、1975年にファンドを閉鎖するまでの14年間、マンガーのパフォーマンスは年率平均リターンは24.3%と驚異的な数字を記録しました。

その後、投資先のブルーチップ・スタンプの会長に就任していたマンガーですが、バフェット率いるバークシャーがブルーチップ・スタンプを吸収合併したことで、1979年、マンガーがバークシャー・ハザウェイの副会長に就任しました。それから38年間ずっとバフェットの右腕としてバークシャー・ハザウェイを支え続けています。

とはいえ、本書を読めばただ支え続けたという言葉では軽すぎるくらい、マンガーはバフェットの投資スタイルに影響を与えた人物だということがわかります。

バフェットは自身の投資スタイルは恩師ベンジャミン・グレアムからの影響が大きいと公言していますが、90年代にコカ・コーラやアメリカン・エキスプレス、ウェルズ・ファーゴ、ジレット(現プロクター&ギャンブル)など割安ではない優良株に集中投資するようになったのは、マンガーの影響が大きいからです。
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本書によれば、バフェットは「チャーリーの最大の功績は今日のバークシャー・ハザウェイを設計したことである。彼が私に示した青写真はシンプルだった。そこそこの会社を割安な価格で買おうとするのではなく、素晴らしい会社を適正な価格で買いなさい。この指示通りに投資事業を進めてきた結果として、現在のバークシャーがある」とマンガーについて語っています。

資産規模が大きくなりすぎたバークシャーにとって、グレアム流のバリュー株投資は限界が来ていて、この限界を突破し、バークシャーがさらに飛躍するためには、マンガー流の投資スタイルなくして達成はできなかったのです。

本書は、あまり日本の投資家に知られていないマンガーの投資哲学や考え方が、過去に語られた言葉をもとに解説されています。解説してくれるのは数々のバフェット本を手掛けてきたデビッド・クラーク氏です。

マンガーの過去の投資スタイルはレバレッジを効かせた裁定取引だったものの、投資パートナーシップを解散する直前の73年と74年の暴落で手ひどい失敗を経験してからレバレッジに対する考え方を改め、バークシャー時代では、永続的な競争優位性がある超優良株に長期投資するという投資スタイルに進化させました。これは、「暴落」とは予期しない形で突然襲い掛かるものであるから、リスクは常に最小限に留めた方が賢明だとの考えに至ったためです。

本書は過去を振り返りながらマンガーの投資哲学を学べる点で優れています。なぜなら、我々の待つ未来が過去の繰り返しだからです。

地政学的リスクの高まりや割高なバリュエーションを示す市場平均。そして中央銀行による行き過ぎた介入。これらは何も投資家たちが未だに経験したことがないわけではなくて、過去に何度も似たようなカタチで繰り返し起こってきたことです。

このようなリスク要因をマンガーとバフェットはどのように乗り越えてきたか、本書を読めばその答えがわかります。そしてそれはすなわち、あなたが投資家として今日、何をすれば良いのかをきっと教えてくれるはずです。

グッドラック。

(参考文献『マンガーの投資術』)

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