バフェット太郎(@buffett_taro)です。

個人投資家の中にはモダンポートフォリオ理論に基づいて、幅広い資産クラスに分散投資する人がいますが、ハッキリ言って年収1000万円にも満たない人たちが債券やコモディティに投資していたら一生掛かってもお金持ちになんてなれないので債券に投資する人はバカです。

株式投資 第4版』によれば、戦後1946年から2006年にかけて、株式の実質トータルリターン(*インフレ調整済みでかつ配当再投資含めた利回り)は6.9%だったのに対して、米長期国債は1.6%、米短期国債は0.6%でした。

【戦後の実質トータルリターン】
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戦後以降のトータルリターンを比較すると、どの年代をとってもほとんど株式が債券をアウトパフォームしています。唯一66年~81年にかけて短期国債が株式を0.2%pt分アウトパフォームしているだけです。

従って、歴史に答えを求めれば債券に投資するのは歴史を知らないバカだけということになります。

とはいえ、バカが債券に投資するにはワケがあります。それは、短期間で見れば国債は株式をアウトパフォームする確率が上がるからです。

株式投資 第4版』で著者のジェレミー・シーゲル博士は、1802年から2006年と約200年間を振り返って、保有期間を1年間、2年間、3年間、5年間、10年間、20年間、30年間で区切り、株式の利回りが債券を上回った期間が何%あったかを調べました。

結果、保有期間が短期であればあるほど、株式が債券を上回る期間が短くなり、長期であればあるほど上回る期間が長くなります。例えば、保有期間が1年間である場合、株式が短期国債を上回った期間は62%、3年間なら70.2%、10年間なら80.6%、30年間なら97.2%といったかんじです。
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つまり、長期投資を前提にしているなら債券に投資するのはバカのやることですが、短期投資を前提にしているなら賢明です。実際、08年の金融危機以降のパフォーマンスは株式が債券を大幅にアンダーパフォームしたからです。

では、個人投資家が短期投資を前提に国債を保有する理由とは一体何でしょうか。もしかしたら5年後にマイホームの購入を考えていて、頭金をつくるためだけに運用しているのかもしれません。株式と違いボラティリティ(変動率)が低いので比較的安心して運用ができるからです。

すると、個人投資家が長期投資を前提に国債を保有する理由はいよいよなくなります。唯一理由を挙げるとすれば、ボラティリティを抑えてマイルドに運用する以外ありません。とはいえ、長期投資とは「短期的なボラティリティを無視して長期で保有する」という投資哲学があるので、ボラティリティを気にしてマイルドにすることは矛盾しています。

従って矛盾をなくすとこうなります。個人投資家が長期投資を前提に国債を保有する理由は、「市場のボラティリティを無視できない臆病な長期投資家だから」です。

さて、マーケットに目を向けると株式市場は史上最高値圏で推移。北朝鮮を巡る地政学的リスクは高まり、トランプ政権の混迷は続いています。こうしたなかで短期的な調整局面を迎えれば、株式が債券をアンダーパフォームするかもしれませんが、短期的なボラティリティを無視して株式市場に長期投資しないと、一生地面を這うような低いリターンに甘んじて大切な時間を無駄にすると思いますよ。

もちろん、あなたがモダンポートフォリオ理論を頑なに信じてる原理主義者はそのままでいいと思います。なぜなら、ノーベル経済学賞を受賞したポール・サミュエルソン氏が述べたように、過去のデータはたった一つのサンプルがあるにすぎず、未来を保証してくれるものではないからです。もしかしたら、債券に長期投資することで報われる日が来るかもしれませんよ。

グッドラック。

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