バフェット太郎(@buffett_taro)です。

【ドル円:日足】
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ドルがわずか二週間で1ドル107円台から一時113円台と急騰したことで、米国株投資家の中には「円高のうちにドルに換えておけば良かった」と後悔している人も少なくないと思います。

バフェット太郎は常日頃からタイミング投資はすべきではないと主張していますが、これは株式だけに限った話ではなく為替についても同じ考え方をしています。つまり、円高になったからといって慌てて手持ちの現金をドルに換えたりしないということです。

なぜ円高なのにドルに交換しないのかというと、そもそも「あの時がドルに換える絶好のタイミングだった」というのは後になってからわかることで、その当時はわかるはずがないからです。

例えば1ドル120円水準から1ドル105円と円が急騰したとしても、それ(1ドル105円)が絶好のタイミングかどうかは後になってみなければ誰にもわかりません。そこからさらに100円を割り込むシナリオだって考えられますし、過去の実績を振り返れば80円台を割り込む可能性だってあるからです。

そう考えれば、1ドル105円水準が円をドルに換える絶好のタイミングだと確信を持って言えないはずです。そのため、わからない未来にお金をベットすることを投機とかギャンブルと言ったりするので、バフェット太郎はタイミングを見計らって円をドルに換えるなんてことはしません。

とはいえ、将来起こり得ることが必ずしもわからないというわけではありません。

例えば、「日本の人口構成は少子高齢化が加速して人口が減少する」という未来は誰にでも予測することができます。つまり、わかる未来だってあるということです。

具体的にいうと、トランプ政権と共和党議会指導部が目指しているレパトリ減税が施行されれれば、その年のドル円相場は一貫してドルが買われます。

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【2005年レパトリ減税が施行:ドル円相場】
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当時、米国外にあった5000億ドル規模の内部留保のうち、約7割となる3620億ドルが税率5.25%でこくないに還流しました。今回はその五倍以上となる2兆6000億ドルもの内部留保のうち、(05年同様に7割が還流すると想定すれば)1兆8200億ドルという莫大なドル買い需要が生まれることを意味します。

そのため、レパトリ減税後の未来はドル高になることがわかります。しかし、気を付けなければならないことは、レパトリ減税が議会で成立した年はドル安円高になるということです。

【2004年レパトリ減税が議会で成立:ドル円相場】
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04年のドル円相場は10月のレパトリ減税成立に向けてレンジ幅が次第に縮小し、成立後一時ドルが急騰したものの、その後大暴落しました。これは企業が三か月後のレパトリ減税の施行を待ってから海外利益を国内に還流した方が「お得」と考えたことで、ドル買い需要が冷え込んだためです。

従って、レパトリ減税が議会で成立する年のドル円相場はドル安円高に進みます。

そこで、レパトリ減税がいつ議会で成立するかですが、下院共和党は「年末までに成立させる」としているものの、30年前にレーガン大統領が税制改革を発表してから法案が成立するまでに要した時間に一年半近くかかっていたことから、今回も同様に来年の下期を目途に成立するのが現実的だと思います。

とはいえ、来年になれば中間選挙が控えていることからレパトリ減税の成立は困難を極めると思います。つまり、「レパトリ減税が施行する年始に大量のドルを買ってドルの上昇トレンドに備える」という投資戦略は絵に描いた餅になる可能性が十分高いです。

グッドラック。

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