バフェット太郎(@buffett_taro)です。

米通信大手第4位のスプリント(S)と第3位のTモバイルUS(TMUS)が統合交渉を打ち切ったことで、株価はそれぞれ-11.54%安、-5.72%安と急落しました。また、米通信二強のベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とAT&T(T)の株価もそれぞれ-3.99%安、-1.32%安と急落しました。

これまで市場参加者たちは、スプリントとTモバイルUSが統合すればライバルが一社減り、価格競争が終結するだろうと予想していました。しかし、交渉が決裂したことで四社の価格競争が激しさを増し、値下げ圧力の高まりから利益が圧迫されるだろうと見られたことでベライゾンとAT&Tも売られました。

交渉が打ち切られた理由は、スプリントの親会社でソフトバンクの孫正義氏が最後の最後までスプリントの経営権を手放さなかったためです。

今回の合併案は株式交換によるもので、TモバイルUSの親会社で独ドイツテレコムが経営権を持ち、TモバイルUSのジョン・レジアCEOがトップに就くことが想定されていました。これはスプリントの時価総額が236億ドルに対して、TモバイルUSのそれは462億ドルであることを考えれば当然です。

しかし、これでは孫正義氏が経営に参画することができません。将来、あらゆるモノがインターネットに繋がる「IoT」が主要事業の中核になり得ることを考えれば、ソフトバンクにとってスプリントは極めて重要な資産であるため、孫正義氏は経営権を譲ることを断固拒否したのです。

一方でTモバイルUSの親会社ドイツテレコムも簡単に経営権を譲れません。なぜなら、そもそもTモバイルUSの方が時価総額が大きいですし、TモバイルUSの業績を決算に含めるためにはドイツテレコムが経営権を持つ必要があったからです。

両社それぞれに譲れない事情があったものの、統合が実現すれば店舗運営やネットワークの共有を通して数十億ドルの経費が削減できるだけでなく、価格競争の終焉による事業環境の改善も含めれば500億ドルの価値が生まれると試算されていたので、いくつかの妥協案が用意された中で最後は孫正義氏の東京の自宅で会談がされました。

会談に参加したのはソフトバンクの孫正義CEO、スプリントのマルセロ・クラウレCEO、ドイツテレコムのティム・ヘットゲスCEO、TモバイルUSのジョン・レジアCEOに加え、それぞれの側近らというそうそうたる顔ぶれでした。

妥協案には合併後の新会社を二年後に買い戻せる規定を合併案の中に含めたり、孫正義氏の出資比率を徐々に高めていくことも検討されたほか、共同会長に就任する案も提示されたようですが、最後まで孫正義氏は首を縦に振ることはありませんでした。

【スプリント:S】
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今年、株価は一時9.65ドルと10ドルに迫る水準まで上昇したものの、現在は5.90ドルと高値から-38.9%安に落ち込んでいます。

統合交渉の打ち切りで通信業界はますます熾烈を極めることが予想されますが、あらゆるモノとインターネットが繋がる新時代を迎える中で、孫正義氏の目には統合効果による500億ドルの価値が安すぎると言えるくらいの未来が見えているのかもしれませんね。

グッドラック。

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