これからバフェット流バリュー株投資をはじめたい人は次のようなステップを踏みながらポートフォリオをつくることをお勧めします。

STEP1:銘柄数の決定
STEP2:景気循環別、銘柄数の決定
STEP3:個別銘柄の決定

本エントリーでは、「STEP3:個別銘柄の決定」について説明します。

「STEP1:銘柄数の決定」では、8~16銘柄に分散投資することを推奨しました。
「STEP2:景気循環別、銘柄数の決定」では、「好況」1:「後退」1:「不況」4:「回復」2といったように、「不況」局面に強いディフェンシブ銘柄中心で構成しながら、それ以外の景気局面に偏らないポートフォリオを推奨しました。
「STEP:3-1:個別銘柄の決定」では、バリュー株投資に相応しいバリュー銘柄とは、ダウ30種やS&P100に採用されているごく一握りの限られた銘柄しかないと説明しました。

「STEP:3-2個別銘柄の決定」では、どのような指標を用いて、銘柄を比較検討するべきかということについて説明します。

ぼくが最も大切にしている指標は「売上高に対する営業キャッシュフロー(CF)の比率」と「配当利回り」です。なぜ、ぼくが営業CF比率を大切にするかというと、営業CF比率が安定して高い銘柄というのは、ビジネスの構造上、極めて高い競争優位性を持っていること、また、強固な財務体質であることなどを裏付ける結果だからです。反対に、営業CF比率が低い銘柄というのは、財務体質が不安定であったり、競争優位性が低い場合が多いです。

例えば、コカ・コーラ(KO)の2014年12月期決算では、売上高45,998(百万ドル)に対して営業CFは10,615(百万ドル)でした。従って、営業CF比率は23.08%です。ちなみにジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)のそれは24.85%、マクドナルド(MCD)は24.52%です。これらの銘柄はビジネスの構造上、極めて高い競争優位性を持っていることを証明しています。一方、日本株を代表するファーストリテイリング(9983)の営業CF比率は8.02%と二桁もいきません。これは、ZARAやH&Mなどのライバル会社に対して、競争上の優位性がないということに他ならないのです。

ぼくは営業CF比率20%程度を基準に銘柄を組み入れていますが、その限りではありません。なぜならIT関連株のような業種ほど、営業CF比率が高くなりやすいからです。従って、エネルギー株をポートフォリオに組み入れる場合、エネルギー株に求める営業CF比率の基準は10%程度まで落としたりします。

次に「配当利回り」ですが、ぼくは配当利回り「3%以上」を基準に銘柄を選んでいます。バフェット流バリュー株投資では、大型株中心のポートフォリオになりますから、株価の値上りはそれほど期待できません。一方で安定した配当で持ち株を増やすことで資産の最大化を目指します。これを配当再投資戦略と言ったりします。

ここで配当を積極的に株主に還元する会社より、自社株買いを通じて株主に還元する会社の方が良いのではと議論になることが多いです。結論から言えば、高配当銘柄を選んだ方が良いです。

確かに、配当再投資戦略は配当に課税されるため、課税されない自社株買いの方が有利に違いありません。事実、配当を通じて積極的に株主に還元してきた会社より、自社株買いを通じて株主に還元してきた会社の方がトータルリターンが高いです。しかし、将来に渡って自社株買いをしてくれるような銘柄をどうやって選べばいいのでしょうか?

実は、自社株買いは配当よりも当にならないことが多いです。配当の場合、一度配当を決めれば、経営陣はこれを引き下げないように必死で努力します。なぜなら減配や無配は、発表と同時に株価が急落するのが普通だからです。また、減配や無配は経営陣に対して「経営能力なし」という意味に他ならないからです。一方で自社株買いは、配当ほど投資家に期待されていません。自社株買いをしてもしなくても「経営能力なし」という風にはならないのです。そのため、現時点で、将来に渡って継続的に自社株買いをする企業を選ぶことは難しいです。従って、課税分を払ってでも、配当を支払ってくれる会社に投資し、配当を再投資した方が良い結果につながると思います。

ちなみに、自社株買いを通じて積極的に株主に還元している銘柄には次のようなものがあります。エクソン・モービル(XOM)、ロッキード・マーチン(LMT)、タイム・ワーナー(TWX)、ホームデポ(HD)、CVSヘルス(CVS)、ウォルマート・ストアーズ(WMT)、フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ファイザー(PFE)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、トラベラーズ・カンパニーズ(TRV)、ビザ(V)、IBM、オラクル(ORCL)、AT&T(T)などです。

配当を通じて積極的に株主に還元している銘柄には次のようなものがあります。(30年以上連続で増配していて、さらに利回りの高い銘柄を選びました。)エマソン・エレクトリック(EMR)、プロクター&ギャンブル(PG)、コカ・コーラ(KO)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ウォルマート・ストアーズ(WMT)、キンバリークラーク(KMB)、マクドナルド(MCD)、エクソン・モービル(XOM)、AT&T(T)などです。

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