バフェット太郎です。

バリュー株投資において「いくらで買うか」ということはとても重要な問題です。バリュー株投資は長期投資を原則としていますが、長期投資だからと言って、バリュー株にいくら支払っても良いというわけではありません。しかし、バリュー株投資に相応しい銘柄というのは、そのビジネスの構造上、競争優位性が極めて高いため、なかなか割安な価格になったりしません。そこでバフェットは「素晴らしい企業をそこそこの値段で買う」ということを実践しています。

バリュー株投資において、株価が割安か割高かを示す指標にPERやPBRなどがありますが、ぼくはどちらも指標としてあまり参考にしていません。ぼくが参考にしている指標は配当利回りです。配当利回りが3%程度あれば「買い」です。

なぜ、ぼくがPERやPBRを参考にしないかというと、配当利回りの高い企業の株は買い支えられやすいため、PERが下がりにくいです。昨年はマクドナルド(MCD)がその典型的な銘柄でした。二年前、マクドナルドが消費期限の切れた鶏肉を使用していたとして世界的な問題を起こしましたが、その配当利回りの高さから、株は必要以上に売られず、PERは20倍程度で推移していました。これを「割高でまだ下がる」と考えていれば、今の株価上昇をただ指をくわえて眺めているだけという結果になっていたわけです。しかし、ぼくは「PERは20倍を超えているけれど、配当利回りは3.5~3.8%で推移している。これは割安ではないけれど、そこそこの値段だ」と考えました。結果、昨年コツコツ買い増したMCD株のパフォーマンスが保有銘柄全体で一番良かったです。

ただし、配当利回りが3%だからという理由だけでどれもが「買い」になるわけではありません。この基準はMCDやコカ・コーラ(KO)、プロクター&ギャンブル(PG)などの超優良バリュー銘柄に限られます。また、配当実績も重視していて、20年連続増配をひとつの基準にしています。
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ぼくみたいに「そこそこの値段」を良しとする投資家にとってみれば、70年代前半におきたバブル、ニフティフィフティ(素晴らしい50銘柄)のような例外を除いて、バリュー株は常に「買い」です。そのため、ドルコスト平均法のように、定期的に買い増しをしています。このように、ぼくが競争優勢性の高いビジネスを持っている企業の株を、そこそこの値段で買うというスタイルはバフェットの影響を強く受けています。

バフェットの投資スタイルは長年グレアム流バリュー株投資でした。グレアム流バリュー株投資とは、二流、三流の会社をバーゲン価格で買うというスタイルです。しかし、80年代後半にコカ・コーラ(KO)株を買うようになってからようやく、バフェット流バリュー株投資が確立されました。そのときのことをバフェットはこう述べています。「25年かけてようやく脳みそと目がつながった」

そして、バフェットはKOに続いて、ウェルズファーゴ(WFC)、アメリカンエキスプレス(AXP)、ジレット(現プロクター&ギャンブル(PG))と次々に一流企業の株を取得していきました。そしてその取得価格は当時、決して割安とは言えない価格だったのです。それでも、二流、三流の会社をバーゲン価格で買うという投資スタイルを成功させ続けるという極めて困難な投資スタイルに比べれば、素晴らしい企業の株をそこそこの値段で買い、長期保有している方がはるかにマシなのです。
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