バフェット太郎です。

1月9日付、日本経済新聞の20面『M&Iマネー道場』で「割安発掘、PERを活用」との記事。PERの簡単な説明から始まり、異業種の比較は意味がなく、同業種の企業と比較するべきとの注意点を押さえつつ、過去のPERの推移を振り返りながら、現時点の水準はどうかといったことが簡単にまとめられていました。そして最後にひとりの個人投資家を紹介していたところで「え?」てなりました。

「(引用始め)こうしたPERの分析は投資の「入口だ」。ベテランの個人投資家はこうした基礎を押さえながら、自分なりのルールを生み出している。09年に投資を始めて2000万円を20億円まで増やした男性(66)もその一人。5年後の一株利益の予想を立てて、年間増益率が平均10%だったら足元の予想PERが10倍以下、20%であればPER20倍以下を割安とみて投資する。(引用終わり)」

わずか7年で資産を100倍に増やすには、毎年93%の複利で運用しなければ達成できません。これはもはや「PERの活用」とかではなく、おそらく「信用取引の活用」でしょう。書店でも「三年で五億稼ぐ法則」といったタイトルの書籍を見かけますが、それがたとえ事実だとしても、それはその時期にそのやり方がたまたま当たっただけで、それ以上の意味は持ちません。こうした再現可能性のない話は、ただの「トンデモ本」や「自慢本」であり「学べる本」ではないのです。今回の記事は、投資初心者や未経験の人が読んだら「PERの分析次第で資産100倍も夢じゃない」と誤解されても仕方ありません。

ちなみに、ウォーレンバフェットの37年間のパフォーマンスは年率平均22%でした。史上最強の投資家と呼ばれているスタンレー・ドラッケンミラーも、30年間のパフォーマンスは年率平均30%でした。彼らと比較すると年率平均93%がいかに異常値かわかると思います。年率平均93%を達成した個人投資家はすごいと思うし、かなりリスクを背負った取引をされたんだろうと思いますが、こうした再現可能性が皆無な事例を挙げ「PERを活用」することで資産100倍も夢じゃない!と誤解させる記事は「トンデモ本」と代わらないです。

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