バフェット太郎です。

日米10年債利回りが拡大する中で、ドル円相場が1ドル108円台とドル安円高が進んでいます。

通常、日米10年債利回りが拡大すれば、日本国債に投資するより米国債に投資した方が高い利回りが期待できるので、日本国債(円)を売って米国債(ドル)を買う動きにつながりやすいです。

そのため、過去を振り返ってみても、日米10年債利回り格差が拡大するとドル高円安に傾き、格差が縮小するとドル安円高に傾くなど相関関係が見られました。

【日米10年債利回り格差とドル円相場:2016ー2018】
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しかし、2018年以降この相関関係が崩れています。これは投資家たちが日銀による金融政策の正常化に注目しているからに他なりません。

そもそも投資家たちが「日銀は金融政策の正常化を目指しているんじゃないのか?」と疑い始めたのは、昨年11月に日銀の黒田総裁がスイスのチューリッヒ大学の講演で「リバーサル・レート」について発言したことがきっかけでした。

「リバーサル・レート」とは、金利を下げ過ぎると、利ザヤが縮小して銀行にとって悪い影響を及ぼすため、金融緩和の効果は反転(リバース)して悪い結果に繋がるという考え方です。これについて黒田総裁が発言したため、市場参加者たちの間で金融緩和の正常化も近いのではないかとの憶測が広がったのです。

さらに1月9日、日銀が国債の買い入れ額を減額したことで、それまでの疑念が確信に変わったように、円買いが加速しました。

加えて、先日のダボス会議で黒田総裁が日銀がかねてから目標として掲げている2%の物価上昇目標に関して、「ついに(達成に)近づいていると思う」と発言したことや、ムニューシン財務長官が「ドル安は米国にとって良いこと」と発言したことも円買いの材料となりました。

しかし、この発言は長い文脈の中での一部分に過ぎないので投資からの反応は神経質すぎます。事実、黒田総裁は「デフレ圧力がある中で、ようやく明るい兆しが見えつつある」というニュアンスで説明しており、その後に、金融緩和縮小は「検討局面にはない」と話しました。また、ムニューシン財務長官も「短期的にはドル安は貿易面で米国の利益に繋がる」としただけで、長期的にはドル高が米国の利益に繋がると発言しています。

こうしたことから、投資家たちの反応はやや行き過ぎている感があります。とはいえ、日銀が金融緩和縮小を明確に否定して国債買い入れ額を増やさなければ、米国とユーロ圏で起きているような未来になりかねません。

【米独10年債利回り格差とドルユーロ:2016-2018】
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チャートは米独10年債利回り格差とドルユーロの推移です。17年4月頃まで米独10年債利回り格差とドルユーロは相関関係にありましたが、現在は米10年債利回りが2.73%であるのに対して、ドイツ10年債利回りはわずか0.69%と、利回り格差は大きく開いています。これは、通常ならドル高ユーロ安を意味します。

しかし、現実に起きていることはドル安ユーロ高です。これは投資家たちがECB(欧州中央銀行)が金融緩和を正常化させると確信しつつあるからです。そのため、為替市場は先回りしてドル売りユーロ買いに動いているというわけです。

これと同じように投資家たちは今、日銀の金融緩和正常化に注目していて、先回りしてドル売り円買いを進めています。とはいえ、円高になれば為替と連動している日経平均株価も崩れかねず、崩れてしまえば消費税増税にも踏み切れません。

こうしたことから、日銀にはドル高円安トレンドを維持させるインセンティブがあるため、為替は再び日米10年債利回り格差と相関するように、ドル高円安トレンドに戻る公算が大きいです。

グッドラック。

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