バフェット太郎です。

FRBが政策金利を引き上げれば、利ザヤが拡大するため金融株がその恩恵を受けると言われています。例えば、預金者から預かったお金を利回りが高くなった債券に投資する一方、預金者に対して今までと変わらない利息を支払い続ければ利ザヤが拡大するので儲かるというわけです。

預金者は他行も同じ利息であることから銀行を乗り換えることはしませんし、利息が上がらないといという理由で解約してタンス預金をする人もいません。そのため、金利上昇局面は金融株にとって追い風となります。事実、過去二年間の金融株のパフォーマンスはS&P500種指数が+40.25%高に対して、金融・セレクト・セクターSPDR・ETF(XLF)は+62.15%高と、金融株が市場平均を大幅にアウトパフォームしています。

【S&P500:XLF:WFC:2016ー2018】
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しかし、金融株の中でも特に優良株とされていたウェルズ・ファーゴ(WFC)のパフォーマンスはわずか+14.86%高と冴えません。

これは16年9月に行員による数百万件に及ぶ預金・クレジットカード口座の不正開設が発覚し、不正営業が横行していたことが明るみになったためです。

先日、大手金融グループを監督するFRBはウェルズ・ファーゴに対して、「業務に十分な改善」が見られるまで、総資産を2017年末の2兆ドル弱の規模に凍結することを命じる厳しい処分を発表しました。

今回の処分により、ウェルズ・ファーゴは市場シェアを落とすことがほぼ確実となり、他行との金利面や融資条件面での競争が激化することになります。また、そもそもこれまでの収益性の高さが不正営業によるものであることを考えれば、改善措置後のウェルズ・ファーゴは収益性が低く、市場シェアを落とした企業となるので、投資家はこれを深刻に受け止めています。

格付け機関のS&Pグローバル・レーティングスは先週、ウェルズ・ファーゴの信用格付けをAからAマイナスに引き下げ、企業統治が抜本的に立て直すのにかかる時間は、従来の予想よりも長い時間がかかる可能性があると指摘しています。

とはいえ、ウェルズ・ファーゴは著名投資家ウォーレン・バフェット氏の永久銘柄とされていて、ポートフォリオにおける構成銘柄の14.53%を占めるなど、アップル(AAPL)の14.63%に次ぐ第二位の主力銘柄になっていることや、市場シェアが依然として高いことから、優良株がバーゲン価格で買えると判断する投資家も少なくありません。

【ウェルズ・ファーゴ:WFC】
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ウェルズ・ファーゴの予想PERは11.7倍と、USバンコープ(USB)の13.0倍、JPモルガン・チェース(JPM)の12.1倍、バンク・オブ・アメリカ(BAC)の11.9倍と比べて割安感があることから投資妙味があると言えます。

ただし、短期的なキャピタルゲイン(値上がり益)を狙っている投資家にとって、ウェルズ・ファーゴのような問題を抱えている株はオススメできません。この銘柄はあくまで中・長期投資家向けの銘柄であり、短期的にはS&P500種指数にアンダーパフォームしても平気だよっていう投資家向けの銘柄です。

グッドラック。

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