バフェット太郎です。

3月1日のNYダウ株式市場は前日比ー420.22ドル(ー1.68%)安の2万4608.98ドルと三日続落して取引を終えました。下落した主な要因は、トランプ大統領が鉄鋼輸入品に対して25%、アルミニウム製品には10%の関税を課す方針であることを明らかにしたためです。

トランプ大統領は鉄鋼・アルミ大手の幹部らとの会合の後、「米国の基幹産業である鉄鋼・アルミ業界が数十年に渡る不公正な貿易に苦しんできた」とし、鉄鋼・アルミ業界の雇用拡大をはかるため輸入制限を発動する方針とのこと。

これを受けて米鉄鋼最大手のニューコア(NUE)は+3.26%高、同業大手のUSスチール(X)は+5.75%高と急伸しました。一方で鉄鋼やアルミニウムなどの材料価格が高騰することで、業績が圧迫されることが懸念される資本財株などは軒並み売られました。航空機世界最大手のボーイング(BA)はー3.46%安、建機世界最大手のキャタピラー(CAT)はー2.85%安、軍用機米最大手のロッキード・マーチン(LMT)はー3.62%安、機械機器大手のコングロマリット、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)はー3.30%安と沈みました。

米国が輸入制限を発動するのはリビア産の原油輸入を禁じた1982年以来のことで、極めて異例の措置となります。WTO(世界貿易機構)の協定では、一方的な輸入制限を禁じているものの、安全保障が理由であれば例外扱いできるものとしています。

しかし、今回の輸入制限を発動すると、米国は安全保障の面で返って悪化するという、自分で自分の首を絞めることをやろうとしているわけです。

どういうことかと言うと、米国に鉄鋼を輸出している貿易相手国は共和党内のタカ派が叩きたいと望んでいる中国ではなく、同盟国であるカナダと韓国なんです。

商務省によれば、米国の鉄鋼製品輸入で中国が占める比率はわずか2%にすぎず、カナダと韓国はそれぞれ16%と10%となっています。つまり、米国が安全保障の面を強化するために鉄鋼とアルミニウムに輸入制限を発動すれば、安全保障の面はむしろ悪化するというわけです。また、保護主義的な貿易政策は世界の経済成長率を鈍化させることになりかねません。

こうしたわけのわからない貿易政策を懸念して株式市場は急落。調整局面を脱っすることができないままでいます。

【ダウ平均:日足】
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ダウ平均は50日移動平均線を割り込み、前回の安値2万3400ドル、あるいは200日移動平均線の2万3058ドルを目指して下落しています。

【ダウ平均:週足】
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こちらはダウ平均の週足チャートです。16年3月以降、二年間にわたって50日移動平均線を上回って推移するなど長い強気相場が見られましたが、この水準を下回るようなら、次は200日移動平均線の1万9000ドルがターゲットになります。

これは高値の2万6600ドルからー28.5%安の水準を意味しますが、過去を振り返れば、強気相場の中でもこうした暴落は何度もありました。

例えば、83年から00年にかけて、ダウ平均が1000ドルから約1万2000ドルへと駆け上がった強気相場の中で、87年に「ブラック・マンデー」が、98年には「ロシア危機」が米国株式市場を襲いました。

87年、当時投資家らの間で普及していた自動売買プログラムが暴走して売りが売りを呼んだ結果、ダウ平均は一日で22.6%も暴落し、その後もズルズルと下げて結局直近の高値から33%も暴落しました。

【ダウ平均:1987】
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また、98年は米国の金利が急騰したことを背景に、アジアや南米の新興諸国で財政危機や通貨危機が発生しました。これが最終的にロシアのデフォルトにまで発展し、ロシアに集中投資していた米大手ヘッジファンドLTCM(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント)が破綻しました。

これを受けてダウ平均はわずか一カ月半で20%暴落しました。

【ダウ平均:1998】
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このように過去を振り返れば、強気相場の中で幾度となく暴落があり、そして幾度となくそれを乗り越えてきたことを考えれば、株式市場の暴落は「世界の終わり」でも「株式投資の終わり」でもなく、「繁栄の途中」だということがわかると思います。

これから先、投資家たちは誰もが予想だにしていなかった暴落を経験することもあると思います。しかし、それらはすべてダウ平均が10万ドル、100万ドルと駆け上がる中での小さな調整局面でしかなく、あなたがやるべきことは「買い増し」です。

グッドラック。

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