バフェット太郎です。

1月末から始まる米国株式市場の急落を受けて、世界の投資マネーは「リスク資産の米国株」から「安全資産の米国債」に逃避すると見られていましたが、どうやら投資家らは米国債を以前よりも「安全」とは見ていないようです。

【ダウ平均:2017年10月ー2018年4月現在】
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ダウ平均はピークの2万6600ドルから3月末にかけて2万3300ドルと最大ー12.4%下げました。

【米10年債利回り:2017年10月ー2018年4月現在】
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一方で米10年債利回りはピークの2.94%から3月末にかけて2.73%まで低下したものの、下げ幅は7.1%と大幅な下落とは言えず、2016年1ー3月期と比べると対照的です。

【ダウ平均:2015年12月ー2016年3月末】
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ダウ平均は15年12月末の終値である1万7450ドルから2月には一時1万5500ドルと11%の下げ幅を記録しました。この時、米10年債利回りは大幅に下落(価格は上昇)していました。

【米10年債利回り:2015年12月ー2016年3月末】
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米10年債利回りは同期間でー27.5%も下げており、この間、米国株式市場から大量の逃避マネーが米債券市場に流入していたことがわかります。

現在と当時(16年1ー3月期)では一体何が違うのでしょうか。結論から言えば、当時ほど景気の底割れリスクが懸念されていないためです。

当時、FRB(米連邦準備理事会)が9年半ぶりに利上げを実施したことから、米国と新興国との間で金利差が拡大し、新興国経済への悪影響が懸念されていました。

具体的に言うと、当時の新興国市場は今ほど回復しておらず、景気低迷から完全に脱してはいませんでした。そのため、米国が利上げに踏み切る中で、新興国の中央銀行が利上げに踏み切れなければ米国と新興国との間で金利差が拡大し、ドル高新興国通貨安が進んでしまいます。

これは一見すると新興国の輸出競争力が高まるので良しと考えられがちですが、低金利時代に大量のドル建て債務を増やした新興国政府や企業は返済額が膨張してしまうため破綻リスクが高まるのです。

しかし、新興国の中央銀行がFRBに追随して利上げに踏み切れば、ただでさえ低迷期から脱していない新興国経済はさらに悪化してしまいます。

こうした懸念が高まっていたことで、安全資産とされる米国債市場に投資資金が大量に逃避し、米10年債利回りがー27.5%も暴落したのです。また、その後FRBも景気の底割れを懸念して利上げペースを従来予想の4回から2回へと大幅に引き下げざるを得ませんでした。

★★★

さて、翻って現在はどうでしょうか。新興国経済は投資家らの心配をよそに景気が回復し、株式市場も大きく上昇しました。米中貿易摩擦を巡る懸念や大手ハイテク企業に対する規制などの懸念が見られるものの、労働市場は底堅く、インフレ率も上向いており、FRBは段階的な利上げができると自信をのぞかせ、さらに上振れする可能性まで示唆しています。加えてFRBはバランスシートの縮小を進める中、国債の供給量は増えるとみられています。

つまり、投資家らは米国株式市場が急落しても、これからさらに急落(利回りは急騰)することが予想される米国国債市場になんか投資マネーを移すわけにはいかないのです。

では、株式市場の調整局面が落ち着き、再び株式市場に投資マネーが還流するとどうなるでしょうか。それは米10年債利回りが現行よりもずっと高い水準で推移することになり、為替は次第にドル高基調を加速させます。

グッドラック。

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