バフェット太郎です。

16日のNYダウ株式市場は前日比+62.52ドル(+0.25%)と上昇して取引を終えました。米10年債利回りの上昇が相場の重しとなったものの、百貨店メーシーズ(M)の決算発表を好感して小売株が軒並み上昇し、相場全体を押し上げました。

【メーシーズ:第1四半期決算】

EPSは予想0.35ドルに対して、結果0.48ドルと予想を上回りました。

売上高は予想53億9000万ドルに対して、結果55億4000万ドルと予想を上回りました。

ガイダンスは予想EPS3.61ドルに対して、新ガイダンス3.75~3.95ドルと予想を上回る数字が提示されました。

これまでアマゾンなどネット小売業の躍進を受けて、数十店もの店舗を閉鎖するまでに追い込まれていたメーシーズですが、長期的な低迷から脱しつつある兆候が見られました。

メーシーズの既存店売上高はアナリスト予想1.4%増に対して、結果4.2%と予想を大きく上回りました。これは余剰在庫を抱えなかったことで値引き販売をする必要がなく、結果的に客単価が上昇したためです。

また、ドル安が進んだことで観光客による消費も伸びました。

【メーシーズ:M】
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予想を上回る決算内容を好感して、株価は前日比+10.83%と急騰しました。

これにつられてウォルマート(WMT)+1.90%高、ターゲット(TGT)2.94%高、コストコ(COST)+1.65%高と小売株が軒並み上昇しました。

一方で、米10年債利回りが今日も上昇したことで相場の重しとなりました。

【米10年債利回り:日足】
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米10年債利回りは一時3.1%を超えるなど約7年ぶりの高水準で推移しています。

米10年債利回りが3.1%もあれば、債券と競争関係にある株式が売られやすいです。これはリスク資産の株式を保有するよりも、安全資産の債券に投資するだけで確実に3.1%の利回りが得られるからです。

そのため、債券利回りの上昇局面では株式は売られやすく、特に利益成長が見込めない安定配当株ばかりの生活必需品株は値上がりしにくいです。
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【生活必需品株ETFと米10年債利回りの推移:2003ー2007】
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とはいえ、米10年債利回りの上昇に伴って生活必需品株ETFも上昇するので、過度に悲観的になる必要はありません。

【生活必需品株ETFとS&P500種指数の推移:2003ー2007】
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同様に米10年債利回りが上昇した4年間の生活必需品株ETFとS&P500種指数の推移です。

どちらも上昇していますが、値上がり率は生活必需品株ETFが+34%に対して、S&P500種指数は+54%であることから、金利上昇局面は市場平均が有利であることには変わりありません。

そのため、目先のパフォーマンスを気にする投資家ほど生活必需品株を手放してS&P500種指数に連動するETFやインデックスファンドに投資するものです。

【生活必需品株ETFとS&P500種指数の推移2003ー2009】
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ところが、チャートを二年間延長すると、生活必需品株ETFのパフォーマンスが+14%高だったのに対して、S&P500種指数はー5.3%とマイナス圏に落ち込んでしまいました。

つまり、S&P500種指数が生活必需品株ETFに常に勝ち続けられるわけではないということです。

それなら利上げ局面ではS&P500種指数に投資して、利下げ局面では債券や生活必需品株ETFにスイッチすればいいと思う人もいるかもしれませんが、FRBは必ずしも一方向に政策金利を動かすわけではないため、それほど簡単ではないのです。

例えば、90年代はFRBによる政策金利の上昇に伴い、新興国経済は大混乱に陥って、南米諸国やアジア諸国で通貨危機とデフォルト(債務不履行)の連鎖が発生しました。この時、FRBは金利を上げたり下げたりと方向感に乏しい金融政策をしていたわけです。

そう考えると、経済が混乱している中で、多くの個人投資家たちが後悔しない選択ができるかどうかは疑問です。

また、金利環境や景気循環に合わせて売買すれば、含み益に20%分もの税金が取られてしまうので、やはりタイミングを見計らった投資を永続的に成功させて市場平均をアウトパフォームし続けるのは難しいでしょう。

したがって、個人投資家はたとえ目先のパフォーマンスが特定のセクターや市場平均に見劣りしたとしても、投資対象をコロコロと替えたりせず、永続的に保有できる一握りの優良株やS&P500ETFに一度投資したら、長期で配当再投資を続けた方が賢明だと言えます。

グッドラック。

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