バフェット太郎です。

拙著『バカでも稼げる 「米国株」高配当投資』はインカムゲイン(配当収入)に着目しており、配当を再投資することで資産の最大化を目指すというものです。

しかし、これに対して異論の声も聞こえます。たとえばバイバック(自社株買い)銘柄に投資した方が合理的だという意見です。

配当再投資戦略は、企業から投資家へ配当が支払われる際、現地課税10%が差し引かれた後に国内課税としてさらに20.315%差し引かれるので、合計28.283%差し引かれます。まぁ、現地課税分の10%に対しては確定申告すれば還付を受けることができるので、正味20~25%になるわけですが。

一方自社株買いは、市場から自社株を買い戻し、市場に出回っている株数を減らすことで一株当たりの価値を高めるというものなので、企業が自社株買いを発表すれば株価も上昇しますし、投資家への税負担もありません。

そのため、長期的に見れば安定配当株への配当再投資戦略より、バイバック銘柄に投資してバイ&ホールドした方が報われやすいというわけです。

バフェット太郎も確かにその通りだなと思うわけでありまして、バイバック銘柄は長期投資家にとって魅力的だなと考えています。

それならどうしてバフェット太郎はバイバック銘柄に投資しないのかと言いますと、バイバック銘柄への長期投資は机上の空論に他ならないからなんです。

たしかに過去を振り返ればバイバック銘柄への投資が賢明だったことが証明されていますが、事前にどの株が永続的に自社株買いをしてくれるかということはわかりません。

たとえば、IBMやゼネラル・エレクトリック(GE)、エクソン・モービル(XOM)などは、過去、自社株買いに積極的な銘柄として知られていましたが、業績が低迷する中で自社株買いの規模を縮小、ないしは中止をしています。

本来、企業業績が低迷して株価が安くなった時に自社株買いをすれば、より多くの自社株を買い戻すことができるのですが、実際は業績が低迷すると自社株買いどころではないのです。

つまり、バイバック銘柄の中には、事業が好調な時ほど自社株買いに積極的で、不調の時ほど消極的になるので、割高な株をより多く買い増し、割安な株は見送るということをしているわけです。

加えて、配当に消極的なバイバック銘柄はボラティリティも高くなる傾向があります。たとえば、バイバック銘柄として有名なホームセンター大手絵のロウズ・カンパニーズは07年の米国不動産バブル崩壊を受けて、株価が60%も暴落しました。また、医療大手のユナイテッドヘルス・グループやクレジットカード大手のアメリカン・エキスプレスは08年の金融危機でそれぞれ70%、80%と大暴落しました。

もちろん、この暴落時に株を大きく買っていれば十分な値上がり益を享受することができたのでしょうが、それができた投資家はほとんどいません。

なぜなら、当時は誰もがこれらの銘柄に悲観的で、自社株買い規模も縮小ないしは中止すると予想されていたので、どっしりと腰を据えて長期投資しようと考える投資家なんてほとんどいなかったのです。

そのため、将来に渡って自社株買いをしてくれるバイバック銘柄を事前に知る術がないことや、リスク許容度をはるかに超えたボラティリティの大きさを考えると、バイバック銘柄への長期投資は土台無理な話だと言えるわけです。

「それなら安定して配当を出す銘柄だって事前にわからないんだから、配当再投資戦略だって土台無理な話だろう」って思うかもしれませんが、それはちょっと違います。

なぜなら、企業は「自社株買い」よりも「配当」を重視するからです。

企業は一度配当額を決めると、経営陣はこれを引き下げないように必死になって配当を維持しようとします。これは減配が経営失格を意味することに他ならないからです。

一方で自社株買いは、してもしなくても経営陣の評価にそれほど影響を与えないことで知られています。事実、IBMもエクソン・モービルも配当を増配させた一方で自社株買い規模を縮小させました。

そのため、配当再投資戦略はバイバック銘柄への投資よりも、将来の予想が比較的容易で再現性の高い投資戦略だと思います。

とはいえ、バイバック銘柄への投資が完全に妙味がないと言えばそれは違います。過去の経験則に従えば、バイバック銘柄が安定配当株よりも有利だったことは事実なので、将来に渡って永続的に自社株買いを実施してくれる銘柄に投資するっていうのは全然アリだと思いますよ。

もちろん、それを事前に知る術はほとんどないのだけれど。

グッドラック。

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