バフェット太郎です。

トルコリラの暴落は世界経済の新たなリスクになり得るのでしょうか。

【トルコリラ/米ドル】
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13年1月以降、トルコリラは米ドルに対してー63%安と暴落しています。

そもそもトルコリラが暴落している背景には、米10年債利回りの上昇と原油価格も高騰が挙げられます。

通常、投資マネーは金利の低いところから高いところへと流れる傾向にあるため、FRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利を引き上げる一方、トルコ中央銀行が政策金利を据え置いていることで金利差が拡大。ドル高トルコリラ安になっているというわけです。

また、トルコの対外債務はほぼすべてが外貨建てで、その半分以上をドルが占めています。そのため、ドル高トルコリラ安が加速すれば返済負担が増大してデフォルト(債務不履行)のリスクが高まります。

加えて、トルコは原油を輸入に依存しているため、最近の原油高とドル高を背景に、国内のインフレ率は11.1%と高騰しています。
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【トルコの外貨準備額】
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トルコの外貨準備額は856億ドルと、適正外貨準備額である1363億ドルと比べて4割少ないです。また、今後一年間の予定外貨流出額が804億ドルと予想されていることから、借り換えができなければ外貨準備額が枯渇してしまうので、トルコリラの通貨防衛力は極めて低いです。

では、トルコ経済が持ち直すにはどうしたらいいのでしょうか。

一つはトルコのエルドアン大統領が利下げ圧力を改めることです。

前述した通り、トルコ経済が悪化している要因はトルコリラ安にあり、トルコリラ安の背景は米国との金利差拡大が挙げられるので、本来ならばトルコは政策金利を引き上げなければなりません。

しかし、エルドアン大統領はそれとは逆方向の金利引き下げを主張しているので、トルコ経済は悪化するリスクが高まっているんです。

トルコは6月24日にい大統領選と国会選挙を控えているので、選挙後に常識的な経済担当者を指名すること、そして政策金利の引き上げることができれば、トルコ経済も持ち直すと思います。

また、トルコリラの暴落が世界経済の新たなリスクになるのかについてですが、これはあまり心配する必要はありません。

なぜなら、トルコやアルゼンチンなど一部の脆弱な新興国を除けば、97年のアジア通貨危機の経験から、米金利上昇への耐性を高めていて、政策金利の引き上げや自国通貨を買い支えるための外貨準備の積み増し、さらにインフレや経常赤字の抑制を進めているからです。

また、米国経済が堅調であることから、投資家のリスク許容度も幾分大きくなっていることから、米国金利が多少上昇したからといって、ハイリターンが期待できる新興国市場から投資資金を引き揚げようなんてことにはなりにくいからです。

従って、トルコやアルゼンチンの通貨が暴落したり、デフォルトリスクが高まったとしても、世界経済に波及するなんてことにはなりにくいので、投資家はあまり悲観的になる必要はありません。

グッドラック。

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