バフェット太郎です。

米国の6月失業率は4.0%と08年の金融危機直前の4.4%を下回り、2000年以来18年ぶりの低水準まで改善しています。こうしたことから、米国は過熱気味であるとし早晩強気相場は終わるだろうと考えている投資家も少なくありません。

しかし、労働市場にまだ改善の余地があることを考えると、必ずしも強気相場の終焉が近いというわけではなさそうです。

【米失業率:1998ー2018】
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(出所:米労働省のデータより筆者作成

チャートは1998年~2018年までの20年間の米失業率推移を表していて、オレンジのラインは4.0%水準を示しています。(一見すると労働市場の改善余地はなさそうに見えます。)

さて、FRB(米連邦準備制度理事会)はかねてから失業率4.5%水準を「完全雇用状態」と考えており、この水準を下回れば雇用の伸びは鈍化するだろうと考えていたことから、市場参加者たちも同様に非農業部門就業者数はそれほど大きな数字にはならないだろうと考えていました。

しかし、6月の非農業部門就業者数は予想19万5000人増に対して、結果21万3000人増と月平均20万人の増加が続いています。これは就業率が上昇したことが要因です。

そもそも就業率とは、15歳以上の人口に占める就業者数の割合を示している指標のことなのですが、09年の58%から60.4%まで改善しています。これはつまり、やむなくパートタイム職に就いていた人や就職を諦めていた人たちが労働市場に戻ってきていることを示唆しているわけです。

とはいえ、先月の60.4%は金融危機前の63%、00年直前の64%よりも低い水準であることから、労働市場には依然としてスラッグ(たるみ)があり、賃金の伸びが加速するほどひっ迫した状況にないことがわかります。
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【米国の25ー54歳までの就業率推移】
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(出所:米労働省のデータより筆者作成

チャートは働き盛りの年代(25ー64歳)に絞った就業率の推移です。このチャートを眺めると、過去三回のリセッション(景気後退)入り直前に就業率が80%まで上昇したこと、そして就業率がピークに達し下落に転じ始めるなどの兆候を示していたことが分かっています。

そのため、現在の79.3%は80%に近いものの、依然として80%の大台を突破していないこと、そして就業率がピークをつけて下落に転じていないことを考えると、まだ労働市場に改善余地があり、強気相場は終わらないと考えられます。

グッドラック。

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