バフェット太郎です。

トルコリラが年初来で4割以上下落するなど通貨危機の様相を呈していることを材料に、安全資産として知られる「有事の金」に投資をしようと考えている投資家も少なくないと思います。

しかし、歴史を振り返れば通貨危機が必ずしも金価格を押し上げる材料になったわけではないことを考えると、金投資や金鉱株投資には慎重になった方がいいです。

【金先物価格:1994ー1998末】
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チャートは94年から98年末までの金先物価格のチャートです。当時、NAFTA(北米自由貿易協定)の発行(94年1月1日)を前にメキシコで投資ブームが起き、米国から多額の投資マネーが流入しました。

しかし、94年2月から95年2月にかけて政策金利が3%から6%へ上昇すると、メキシコから投資マネーが大量に流出してドル高ペソ安が加速しました。その後、メキシコの中央銀行は為替市場に介入して大規模なドル売りペソ買いを実施するものの、ペソ安が止まらなかったことで米国とIMF(国際通貨基金)が連携して巨額の緊急融資を行って救済しました。

ところが97年になるとアジア通貨危機が、そして98年にロシア通貨危機、99年にブラジル通貨危機と通貨危機の連鎖は全世界に感染していきました。この時、「有事の金」はどのように動いたかというと、値上がりするどころが悲惨なほど暴落していきました。

これは好調な米国経済を背景に、投資マネーが世界中から米国に流入したためです。

【ダウ平均:1994ー1998末】
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97年のアジア通貨危機やその後のロシア通貨危機で株価は高値から1~2割程度下げる場面もありましたが、50日移動平均線に反発するようにして過去最高値を更新していきました。

当時の米国は株価上昇→景気拡大→業績拡大→賃金上昇→消費拡大→株価上昇…という好循環に入っていたことで、投資家らは利息を生まない金を売り、利回り6~7%の米10年物国債や米国株に投資していたのです。

結果、為替市場は大量のドル買い需要が膨らみ、ドル指数は大きく上昇しました。

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【ドル指数:1994ー1998末】
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ドル指数は95年4月の80.43を底に、98年8月にかけて102.56と27.5%と約3割も値上がりしました。

また、95年以降、各国の中央銀行が大量の金売りに動いたことも金を押し下げた要因として挙げられます。当時、ユーロ参加予定国はユーロに参加するために累積債務残高をGDP比60%以下に抑える必要がありました。そのため、ユーロ参加予定国の中央銀行はその基準を満たすために保有する金の売却を進めたのです。

具体的い言うと、ベルギーが95年と96年にそれぞれ175トンと203トンの売却、オランダが97年に300トンの売却に踏み切りました。さらにユーロ参加予定国以外の国の中央銀行も金の売却に動きました。たとえば産金国のオーストラリアとアルゼンチン、そしてカナダがそれぞれ167トン、125トン、229トンと売却しています。

従って、95年以降の金価格の暴落は各国中央銀行による売却が要因であるため、今回のトルコ通貨危機で同じように金価格が暴落するわけではありません。しかし、好調な米国経済を背景に世界の投資マネーが米国に一極集中していることを考えると、大枠としてのトレンドは変わりません。

すなわち、米国株とドルが買われて利息を生まない金は見向きもされないということです。

【金・銀鉱山株指数(XAU):1994ー1998末】
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金鉱山株指数を眺めると、96年に155.61の高値をつけて以降、わずか二年半で48.65と7割近く暴落するなど、金同様に金鉱山株も投資家らから見向きもされませんでした。そのため、現在のような状況では金鉱株にも投資すべきではありません。

今後のシナリオですが、しばらくは米国の一人勝ちが続き、いずれ訪れるリセッション(景気後退)でFRBが金利を引き下げ始めたとき、その時こそ金と金鉱株の買いチャンスです。

グッドラック。

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