バフェット太郎です。

トルコの信用格付けが相次いで引き下げられています。投資家の中にはトルコは危機の最悪期を脱しつつあり、「今こそ恐怖の中でトルコ株やトルコリラに投資すべきだ!」と考えている人もいますが、ハッキリ言って時期尚早です。

S&Pグローバル・レーティングはトルコの信用格付けを「投機的」を意味する「BBマイナス」から一段階引き下げて「Bプラス」としました。これは現時点では債務を返済する能力があるものの、経済状況が悪化した場合は債務不履行に陥りやすいことを意味します。また、見通しは「安定的」で据え置いた一方、来年は景気後退が予想されると指摘しました。

格付けが引き下げられた主な要因は、トルコリラのボラティリティ(変動率)が大きすぎるため経済が弱体化する公算が大きいためです。

また、ムーディーズもトルコの長期発行体格付けを「Ba2」から「Ba3」に引き下げました。「Ba」とは「投機的」であることを意味し、数字は1が上位、2は中位、3は下位を意味します。加えて、格付け見通しを「ネガティブ」に変更されました。

格付けが引き下げられた主な要因は、本来通貨危機は政策金利を大幅に引き上げることで回避できたのにも関わらず、そうした対応を怠るなど公的機関の弱体化が見られるためです。

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【ドル/トルコリラ:2018.5ー2018.8】
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トルコリラは一時1ドル7.2リラと過去最安値を更新したものの、その後6.0リラまで回復しています。

リラが暴落した背景ですけれども、そもそもトルコ経済は主にEU諸国からの短期借入に依存していることから、トルコがデフォルト(債務不履行)に陥ればトルコの銀行だけでなくEU諸国の銀行のバランスシートまで傷つくことから狼狽売りの動きが広がりました。

しかしその後、トルコ中銀はリラ建ての預金準備率を一律で250bp引き下げるなど、流動性供給策を発表したことでリラが急速に買い戻されました。これは「裏口からの利上げ」と言われ、本来政策金利を引き上げたいところを、利上げに批判的なエルドアン大統領に配慮して流動性供給に動くことで、実質的な利上げを講じたわけです。

とはいえ、こうした複雑な対応は政策の予見がしづらいことに加えて、中央銀行がエルドアン大統領に逆らえないことを認めたことに他なりません。さらに、こうした対応の仕方の持続可能性についても投資家は懸念していることから、投資マネーが流出し続ける公算が大きいです。

また、カタールが150億ドル規模の支援をする姿勢を示していることに加えて、ロシアやイランと急速に接近している一方、IMFからの支援は否定的な態度を示すなど欧米からは距離を置こうとしていることから、新たな地政学的リスクの火種が生まれつつあります。

このように、金利をまともに引き上げられないなど通貨危機を脱却する手立てがほとんどない状態であることに加えて、地政学的リスクも高まっていることから、トルコ危機が去ったと考え投資に踏みきるのは時期尚早と言えます。

グッドラック。

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